WC_0.03 ミネラルの溶解
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ミネラルの溶解
コーヒーを淹れる際に大切な無機塩類(ミネラル)は、イオン化合物であり、イオン結合によって結び付いています。
無機塩類は水に触れるとすぐに溶け始めます。溶解が起こると、結合して無機塩になっていたイオンはバラバラになり、解離します。つまり、ミネラルを形作っていたイオンは水中で結合が解かれた自由な状態になります。これはあらゆる無機塩類が溶解する際に起こります。
水はイオンではありませんが、性質は少しイオンに似ています。水は極性分子ですので、水分子の数が反応を起こすのに十分な状態では、水分子の片側にプラスやマイナスの電荷が少しでも掛かるとイオンを引き付けます。下図のように1つのイオンを複数の水分子が取り囲み、他のイオンから引き離します。
この図は、バラバラになったイオンが水分子(H₂O)に取り囲まれ、食塩(NaCl)が塩化物イオン(陰イオン)とナトリウムイオン(陽イオン)に解離していく様子を表しています。
イオン結合:電子を奪う
コーヒーにとって重要なミネラルは、すべて無機塩類の形をとります。無機塩類は、イオン結合によって結び付いています。電子を他の原子と共有する代わりに、原子同士が1個または複数の電子を取り合って結合しています。こうした結合を「イオン結合」と呼び、無機塩類は代表的なイオン化合物として知られています。
例えば、塩素(Cl)は水を消毒するために使われますが、外側の電子殻には7個の電子を持っています。塩素が安定するためには、他の分子から電子を1つ「奪う」必要があります。電子はマイナスの電荷を持つので、塩素分子は奪った電子の数だけマイナスの電荷を得ます。
電荷を得た原子は、イオンになります。電子を奪った方の原子は、マイナスの電荷を得るので「陰イオン」と呼ばれ、電子を奪われた方の原子は、プラスの電荷を得て「陽イオン」と呼ばれます。
化学式では、陽イオンと陰イオンを区別するために記号を用います。プラス(+)やマイナス(-)の記号を、元素記号に上付きで加えます。例えば、マグネシウムイオンは「Mg2+」と表記されます。マグネシウム原子の最外殻には電子が2個入っているので、その2個を奪われ、マグネシウムイオンになっています。記号で示されている通り、電子2個分のプラスの電荷を持ちます。
マグネシウムイオンが電子2個分のプラスの電荷を持つのに対し、塩素イオンはマイナスの電荷を1個しか持ちません。そのため、塩化マグネシウム分子は、1個のマグネシウムイオンにつき2個の塩素イオンによって構成されます。塩化マグネシウムは、元素記号でMgCl2と表記します。元素記号や化学式の読み方について復習したい人は、こちらのリンクより「化学式の読み方」を参照してください。
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