Æ_5.01 グループヘッドでの温度調節

Æ 5.01 グループヘッドでの温度調節

「給湯温度」は、お湯がグループから出てコーヒーと接触するときの温度を指します。この温度を調整する方法はマシンにより異なり、設定温度の調整のしやすさにも違いがあります。最近のマルチボイラーマシンは、給湯温度を正確に制御することができます。

お使いのマシンの温度の安定度を知り、例えばスチームボイラーから熱湯を出す、グループをフラッシングしすぎるといった操作が、温度の安定性にどれほど影響するか把握しておくことが重要です。また、マシンによっては、抽出温度が安定するまでにフラッシングを長めに行う必要がある場合もあります。


シングルボイラーマシン

業務用のシングルボイラーのエスプレッソマシンでは、お湯はスチームボイラー内を通るパイプからなる熱交換器で加熱されます。抽出する際は冷たい水が熱交換器へ流れ込みます。水はグループヘッドにたどり着く前にここを通過し、熱交換器を取り巻く大量の熱湯や蒸気によって急速に加熱されます。

スチームボイラー内の温度は通常118~124 °Cで、コーヒーの抽出に必要な温度よりもはるかに高くなっています。このため、グループから出る前の湯から余分な熱をとるための仕組みが必要になります。これを成し遂げる最も一般的な方法は、サーモサイフォンを使用することです。

画像:一般的なシングルボイラーエスプレッソマシンのサーモサイフォン。

上の画像のステップは、サーモサイフォンの機能を説明しています。1)スチームボイラーの熱によって熱交換器内の水が >100°C に加熱されます。2)この熱湯がグループヘッド上部を通過します。3)グループヘッドが熱を空気中に放出し、抽出温度に近い温度まで(グループ内の湯ともども)冷却します。グループヘッドは熱質量が大きいため、温度が安定しやすくなっています。4)冷却された水は沈んでいくため、グループヘッドの底部から熱交換器の底部へと戻ります。熱交換器で加熱された熱湯が上昇し、グループで冷却された湯が下降するという一連の作用により、ポンプの停止中は水がシステム内を循環し続けます。5)エスプレッソの抽出が始まるとポンプのスイッチが入り、冷水がシステムに流れ込みます。6)冷水が熱交換器内の熱湯に合流すると、その温度は急速に>100°C に達します。7)湯はサーモサイフォンの両側からグループに入り、冷却された湯と熱水を混ぜ合わせます。8)サーモサイフォンの湯は、グループを通りコーヒーへと流れます。グループヘッドが持つ熱質量の大きさにより、お湯の抽出温度は安定します。

サーモサイフォン付のシングルボイラーマシンは非常に温度が安定しやすい一方、抽出温度を正確にコントロールすることは困難です。ボイラーの温度調節により抽出温度は変化しますが、サーモサイフォンの循環速度にも影響するため、予測可能な範囲ではありません。ボイラーの温度調節は、蒸気圧に好ましくない影響を及ぼす恐れもあります。その代わり、サーモサイフォンの流量を流量制御装置でコントロールすることにより温度調節が可能な場合もあります。マシンによっては、お湯に加える冷水の量を調節することで温度調節できるものもあります。

多くのシングルボイラーマシンにおいて、グループから出る最初の数ミリリットルの水は熱交換器に滞留したために熱すぎるか、配管に滞留し冷えすぎていることがあります。このような場合は、お湯が正しい温度になるまでフラッシングを長めに行う必要があるでしょう。


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