粉は「ふるい」にかける方が良いですか?

粉は「ふるい」にかける方が良いですか?


BHブログ『粒はふるいにかける方が良いですか? 』

皆様はコーヒーを抽出する際に微粉を取り除く工夫をしていますか
2012年に、マット・パーガーが250μmのふるいを使用し、250μm以下の微粉を取り除いてWorld Brewers Cupで優勝しました。微粉を取り除くことによってより均一な抽出を可能にし、ドライで苦味のある過抽出のフレーバーを出すことなく収率をより高くしました。一方で、マットはそれ以来「微粉は気にする必要がない」と主張しています。


ふるいにかける理由は何ですか?
どんなグラインダーを用いても、挽いた後の粒子の大きさは様々です。粒度に応じて表面積が異なるため、抽出の速度は異なります。表面積が非常に重要である理由は、分子の拡散が非常に遅いためです。エスプレッソの抽出において、その拡散は抽出にほとんど影響を与えず、多かれ少なかれ抽出は粒子の表面で起こります。エスプレッソよりも抽出に時間のかかるフィルターコーヒーにおいても、通常の条件下では拡散による抽出はおそらく完了しません。

どれだけうまく抽出レシピを調整しても、最小の粒子は過抽出のフレーバーに寄与する可能性、大きな粒子は未抽出になる可能性を意味します。ふるいにかけることによって、最小・最大のどちらかの粒子を取り除くと、収率の値が同じでもより良いカップクオリティーになるでしょう。

ふるい分けの限界
最小の粒子をふるいにかけることで、コーヒーの抽出を確実に改善することができます。ただし、手作業で微粉をふるいにかけることは時間がかかり、非効率的な方法です。小さな粒子は互いにくっついたり、大きな粒子に付着したりする傾向があるため、手でふるいにかける場合、すべてを取り除くのは困難です。

たとえば、土をふるいにかけるための実験手順では、自動振動機で少なくとも10分間ふるいにかけ、ふるいにかけられた粒子を計測し、小さい粒子の増加が1%未満になるまで、さらにふるいにかけます。しかしこの手順は実用的ではありません。

一方、大きい粒子においては、時間をかけず完全に除去することが可能です。ふるいを通過するものはすべて目標粒度の閾値を下回るため、うまくふるい分けができずに小さい粒子の一部が取り残された場合でも、ふるいにかけられた粉のサイズは、ふるい分け前よりも小さくなります。この点において、微粉よりもかたまりの方がより扱いやすい可能性があります。




収率の上限と下限
挽いたコーヒーをふるいにかけて微粉を取り除くとき、私たちが行っているのは収率の上限を上げることです。これは、過抽出のフレーバーが出る直前のコーヒーを極限まで抽出できるポイントです。
過抽出フレーバー無しに抽出できるほど、全体の抽出はより均一なものになります。

また、微粉を取り除く代わりに、かたまりを取り除くことで、収率の下限を下げることができます。つまり、未抽出によって台無しになる直前の最も粗いグラインドサイズになります。これは、収率の上限とは真逆の考え方ですが、こちらの方法もまた抽出をより均一にします。

もう一つのテクニックを紹介します。それは、より粗いグラインドサイズに設定すると、挽く時に発生する微粉の量も減少することです。微粉は、豆がグラインダーで粉砕されることによって発生します。より粗いグラインドサイズの設定では、目的のサイズに到達するために粉砕される回数が少なくなるため、結果として生じる微粉も少なくなります。つまり、大きい粒子をふるいにかけることを選べば、微粉の量を減らすために2度ふるいにかける必要がなくなります。

したがって、ふるいで最小の粒子を取り除くことで抽出が改善される可能性はあります。ですが、大きい粒子を除去する方がはるかに効果的であるととバリスタハッスルは考えています。

ブログに戻る