CQC_1.02 クエーカー
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CQC 1.02 クエーカー
コーヒーの実は開花後、約35週間で成長します(キャネル、1985年)。コーヒーチェリーが緑から赤(場合によってはピンク、黄色、オレンジ)に変色したタイミングが、成熟したサインです。色の変化は果皮(皮)からクロロフィルが失われたことにより起こり、豆が成熟するにつれてフラボノイド色素に置き換えられていきます(ロペス他(1984年)、クリフォード&カズィ(1987年))。
クエーカーはピーナッツやグラッシー(草っぽい青臭さ)、または藁のような不快な風味をもたらします。「スペシャルティグレード」を名乗るコーヒー豆でも、販売用の豆袋1袋あたり最低でも1粒はクエーカーが混在しています。多くのグレーディングシステムにおいて、クエーカー5粒が黒豆1粒に値すると定めています。スペシャルティコーヒー協会(SCA)では、スペシャルティグレードのコーヒーはクエーカーが5粒以下でなければならないと規定しています。
BHの教育部門の責任者、ジェム・チャレンダーが市販のコーヒー豆を使用して、通常の豆とクエーカーをブラインドカッピングしている様子の動画です。
生豆に含まれるクエーカーは、精製と選定の工程で減らせそうですが、ブラジルのプランテーションで広く使用されている色選別機では、効果的にクエーカーを取り除けません。その理由は、欠点豆の色の変化がはっきりと確認できるのは焙煎後だからです。そのため、焙煎後に色選別機を使用するのも、クエーカーの量を減らすアプローチ方法の一つです。
未熟豆の化学的性質
健康に育った高品質のコーヒー豆と比較して、未熟豆は水分活性が低く、ショ糖、タンパク質、オイルの含有量などの主たる前駆体が不足しています(A Sフランカ他、2005年)。マッツァフェラ(1999年)の表では、未熟豆、成熟豆、さらに未成熟かつ黒豆に含まれるショ糖の相対量が示されています。
PVは未熟な黒豆を、Vはその他の欠点がない未熟豆を、Bは欠点のない成熟豆を示しています。出典:P.マッツァフェラ、1999年
カフェイン含有量に関しては、科学論文を比較しても一貫性は見えません。1999年にP.マッツァフェラが行なったブラジルのナチュラルプロセスのコーヒーを使用したガスクロマトグラフィーテストでは、異なる種類の欠点豆(黒豆、酸化した豆、未熟豆でテストを実施)でも、カフェイン量がほとんど変わらないという結果が得られました(P.マッツァフェラ、1999)。2005年のA Sフランカらによる研究では、同時に収穫した豆でも、未成熟豆よりも成熟豆の方がカフェイン含有量は大幅に低いという結果が出ました。1987年にクリフォードとカズィが行なった研究では、コーヒーに含まれる苦味のある化学物質、カフェインとトリゴネリンの欠点豆における量は、「わずかな差で重要なものではない」と考察されています。
成熟豆とクエーカーを比較した時に感じる不快な風味の説明として最も有力なものは、大幅なクロロゲン酸(CGA)の量の違いであるように見受けられます。とりわけ、クリフォードとカズィの1987年の研究では、成熟期の最後の5週間に、CGAの2つの部分群であるカフェオイルキナ酸(CQA)とジカフェオイルキナ酸(diCQA)との間に大きな比率の変化が見られました。この二つの部分群は生豆の総CQA含有量の85%を占めています(A Sフランカ、L. オリヴェイラ、2008年)。
メネゼスは1994年に、ブラジル産のアラビカ種の品種であるカトゥアイで実験を行い、収穫時に未熟豆と成熟豆を機械的に振り分けました。その結果、成熟途中の果実のCQAとdiCQAの比率が低いほど、コーヒーの風味が悪くなるという結論に至りました。
開花後数週間観察した様子。コーヒーチェリーのクロロゲン酸、カフェインおよびトリゴネリンは、コーヒーチェリーの成長とともに蓄積されます。アラビカマラゴジッペ種総CGA量-○-、総CQA量-■-、総5-FQA(5-カフェオイルキナ酸)量-△-、総diCQA量-▲-、カフェイン量-□-。クリフォードとカズィがこのグラフで使用したy軸の測定単位は珍しい単位です。グラフのy軸には、コーヒー豆100粒あたりの質量がグレイン(1グレインは64.79891ミリグラム)で示されています。(出典:メネゼス(1994))
1.02 終