RS_4.03 焙煎における放射線
共有
RS 4.03 焙煎における放射線
ほとんどの焙煎機において、放射によって伝達される熱量は無視することができる量です (シェンカー & ロスギブ、2017)。 「赤外線利用」とされるほとんどの焙煎機は、赤外線バーナーを使用していますが (レッスン 1.02 を参照)、その赤外線は豆に直接熱を伝えません。その代わりに、その放射熱は豆周辺の空気や、ドラム、場合によってはドラム周辺の熱交換器を加熱します。そこから、伝導と対流によって熱が豆に伝わります。赤外線は、穴が開いていない限り、ドラムを透過することはできません。
Rubasse やSTRONGHOLDなどの一部の製造業者は、赤外線を主な熱源として使用する小型の焙煎機を製造しており、赤外線が豆に到達できるように発熱体をドラムの内側に付けています。一般的に、放射熱は物質を均一に熱する効率的な方法ですが (アブードら、2019)、商業的に存続できる産業規模の赤外線使用の焙煎機を開発したメーカーはまだありません。
Rubasse焙煎機のドラム内の赤外線発熱体
研究者は、マイクロ波を使ってコーヒーを焙煎する実験も行っています。マイクロ波は、光や赤外線のように電磁波の一種ですが、波長が長い電磁波です。そのためマイクロ波は豆の奥深くまで浸透できるので、外側がそれほど高温にならなくても、コーヒー豆内部を完全にディベロップさせることができます。
研究者は、コーヒー豆の焙煎度の尺度として質量損失を使用して、対流式オーブンで焙煎した豆と電子レンジで焙煎した豆を比較しました。コーヒー豆は、マイクロ波によってより低い焙煎温度で目標の質量損失に達することができました (ネベスニー & ブドリン、2003)。より低い温度で適度な焙煎時間でコーヒー豆をディベロップさせることができるということは、抗酸化物質を保ちながら、コーヒー中の芳香化合物の量を増加させることができる可能性があるということです (ネベスニーら、2006)。
4.03 終