T_5.03 複合的な影響

T 5.03 複合的な影響

「アラビカ種の持続可能性は、気候変動生態系の衰退遺伝的多様性の低さという3つの複合的な影響によって脅かされています。エチオピアでは気候変動の影響がすでに確認されており、最近ではこの地域で以前見ることのなかったラ・ブロカなどの害虫が気候に適応できるようになっています(A Davis、2013)。ワールドコーヒーリサーチ (WCR) のハンナ・ノイシュワンダー氏は、コーヒー栽培における1日の平均気温のリミットは 32°C であり、ザンビアではすでにこのレベルに達していると語っています。

コーヒーとカカオの農法はどちらもアグロフォレストリーに非常に適していると考えられています。ですが、どちらの産業でもこれまでに多くの地域で激しい環境破壊を経験してきました。コーヒーとカカオの栽培に影響を与えたここ数十年間の環境破壊を合わせると、世界中で生じた 3,000 万ヘクタールの森林破壊に相当します。この広さはベトナムとほぼ同じ面積に相当します。この森林破壊は、地球規模の炭素排出量の大幅な増加の直接的な要因です。これは、木材チップ化や植生が焼かれたことによる破壊により、植物内に隔離(捕捉)されていた炭素が破壊されたと同時にほぼ即座に放出されたためです。

アラビカ種の問題をさらに複雑にするもう1つの要素は、アラビカ種は世界で最も遺伝的な多様性の低い農作物の1つであることです (Wolrd Coffee Research)。コーヒーの遺伝子型と植物育種の論題は、バリスタハッスルで将来リリース予定のコースのテーマとなるため、こちらについてはあまり深く取り上げません。ですが、エチオピアの外ではアラビカ種が限られていることをご存じない方のために、コーヒー分類学の第一人者であるアーロン・デイビス博士が 2013年のノルディック・ロースターズ・フォーラムで行った講演内容をお届けします。デイビス博士は、この10年間科学的に知られていなかったいくつかのコーヒー品種の発見に貢献しました。

ここで彼は、コーヒーの品種の生存に影響を与える複合的な影響と、植物育種プログラムが将来どのように他の品種の生殖質に依存する可能性があるかについて説明しています。耐乾性などの特性を活かして、丈夫で味も良い改良されたアラビカ種のハイブリッドを育てることができそうです。彼自身の言葉を借りれば、アラビカ種を除く124種類のコーヒー品種のほとんどは「絶対的に不味い」ため、簡単なことではないかもしれません (A Davis、2013)。

 

5.03 終

ブログに戻る