ドリップとバッチブリュー_4.03 フィルターバスケット

4.03 フィルターバスケット

各フィルターバスケットの長所と短所(平底型、円錐型、台形型)

バスケットタイプ
長所 短所
平底型
カリタ
「カリタのメリットは、均一な抽出が容易な点です。」ー スコット・ラオ

均一な抽出が容易です。
大多数のスタッフ間で一貫性を保ち、キャリブレーションを容易に行うことができます。 ウェーブフィルターを使用することで、ペーパーの波打った部分とドリッパーの間に空気の断熱層が得られます。魔法瓶などの保温容器は、空気の熱伝導率が低いことを利用して、空気の層で熱損失を大幅に削減します。このため、平底型ドリッパーは他のデザインにはない大きなメリットがあります。
ウェーブ形状のペーパーフィルターの折り目には、コーヒーの粉が張り付きがちです。

01サイズ用のウェーブフィルターの難点は、縁が波型形状のため、ペーパーフィルターの表面積が増え、スラリーの縁に逃げ道となる細孔ができることです。これにより、従来の円錐型ペーパーフィルターと比べて数千もの逃げ道が余計にできてしまいます。ウェーブの溝に張り付いたコーヒーから、過剰なチャネリングを引き起こす可能性があります。
大型平底型(バッチブリュワー)
Fetco(フェトコ)
Bunn(バン)
Fetco(フェトコ)
Marco(マルコ)
Curtis(カーティス)
Hipster(ヒップスター)
バリスタハッスルでは、円錐型よりも平底型のほうが均一な抽出をより簡単に実現できると考えています。

ファンネルは大抵スプレーヘッドの下にあり、スラリーを手動で攪拌することはできません 。

円錐型
V60
Kono(コーノ)
Kinto(キントー)
平底だと、コーヒーベッドを平らにするのが簡単なため、「ラオスピン」を容易に行うことができます。
「[円錐型の] V60または[平底型の]Melitaドリッパーの主なメリットは、適切なサイズのドリッパーを使用すると、バリスタは蒸らし後のお湯を一度に全部、時間をかけずに加えられることです。」ー スコット・ラオ
円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持しやすい形状をしています。

リブのない円錐形
Chemex(ケメックス)
これにより、ドローダウン後の平らなコーヒーベッドを容易に実現できます。

ガラスは、ドリッパーにリブがなく、表面が平滑な場合は特に手入れが簡単です。加えて、ガラスは比較的低い比熱を持っています。
ケメックスはウェーブフィルターには適応していません。底面の穴からすぐに抜け落ちてしまいます。ケメックス専用のペーパーフィルターは、特定の部分がガラスに吸着するようになっています。この付加摩擦により、抽出器具のくびれ部分をすり抜けるのを防ぎます。これにより、ペーパーからの液体の流出が抑えられ、抽出時間が多少長くなります。さらに、このことでガラスからより多くの熱を伝導しやすくなります。 ケメックス用のペーパーフィルターはクレープ加工されていません。おそらく、下のサーバーに落ちないようにガラス製ドリッパーの側面に吸着させるためだと推測されます。これには、細孔の数を減らすことで、抽出時間を引き伸ばす効果があります。 ペーパーフィルターは、折り畳んで使う円形フィルターのみ用意されています。ケメックス用のものは折りたたむ必要があるため、片側が3枚、反対側が1枚だけになります。
台形型
Moccamaster(モカマスター)
Wilfa(ウィルファ)
Clever(クレバー)
メリタ
私たちの経験上、このデザインではコーヒーベッドの底に空気が溜まるという問題もあまり起こりません。 台形の形状により、蒸らし中にコーヒーベッドの底を揺すって攪拌するのも容易です。よって、ペーパーフィルターが目詰まりしにくくなります。
円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持します。 これらのデザインは、ペーパーフィルターの各種汎用品と互換性がないので注意が必要です。


4.03 終

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