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このオンラインコースは、コーヒーの抽出に関するシリーズの2作目です。浸漬法と呼ばれている抽出方法を学びます。浸漬法を用いた抽出はそれぞれ大きく異なり、いくつかのカテゴリに分類することができます。
まず、フレンチプレスやカッピングなどの静的浸漬法を学びます。この抽出方法は動きのないコーヒーベッドでコーヒーの粉がただ水に浸されるスタイルです。それとはまったく対照的な抽出方法がサイフォンやエアロプレスなどの加圧浸漬法で、かなりの量の乱流を伴い、圧力によってコーヒーの粉は抽出液から除去されます。
ジェズべまたはイブリックと呼ばれる抽出方法は、ユニークな浸漬式の抽出です。その複雑さから、私たちはその秘密を解明するために1章まるまる用意しました。最後に、別のタイプの浸漬法を用いた抽出器具で、他の抽出スタイルを取り入れたハイブリッドです。このハイブリッド抽出方法は、静的浸漬法から始まり、その後透過法を伴ったフェーズに移ります。それらはスティープ・アンド・リリース抽出器具(スコットラオが彼の著書「Everything but Espresso」(2010)表した造語)として知られています。
浸漬法は、透過法と比べると数世紀前から使われてきたことが分かっています。ペーパーフィルターの最初の使用は、メリタ・ベンツ氏がペーパーフィルターを使用する抽出器具の特許を取得した20世紀初頭にまで遡ります(ドイツ特許庁、1908年)。コーヒーの粉と水がただ混ぜられ、ろ過されていない状態のものに関して書面として残っている記録は、15世紀半ばのものとなります。 16世紀半ばに執筆したアラブの学者アブド・アル・カディール・アル・ジャジリは、イスラム世界におけるコーヒー抽出の普及に関する最も重要な歴史的情報源です。 1470年に亡くなったイスラム教のスーフィー神秘主義のメンバーであるムハメッド・アル・ダバニ氏は、夕方に行う祈りのために、カートの葉から作られたカフアと呼ばれる液体を作ったと言われています。ある時点から、彼はコーヒーをカフアの代わりにするようになりました(J. モリス、2018年)。モリスによると、この飲料は、フレンチプレスなどの一般的な浸漬法よりも、カスカラ(乾燥したコーヒーチェリー)を煮出したものに似ていた可能性があるとされています。さらに、カフアは焙煎されていないコーヒーで作られている可能性もあるともされています。つまりダバニ氏はコーヒー抽出の黎明期における重要人物と捉えることができ、私たちはこのコースを彼に捧げたいと思います。
このコースでは、浸漬法におけるあらゆる抽出方法について詳しく学んでいきます。それぞれの抽出方法のメカニズムを調べ、バランス良く均一に抽出するために最も良い抽出レシピも紹介していきます。
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