焙煎理論と実践 2.02 収量

HTR 2.02 収量

バッチサイズを決めるときに重要なのは、最初に使う1kgの生豆に対して、焙煎後何kgのコーヒーが得られるかです。焙煎度合いや生豆の水分量によりますが、コーヒー豆は焙煎中にその重さの11〜24%を失います。

焙煎中に失われる重量のほとんどは、豆に含まれている水分が蒸発するためです。例えば、1バッチの豆が10%の水分を含んでいる場合と、別のバッチが11%の水分を含んでいる場合、同じ焙煎をしても、水分量の違いで1%ほど重量が違ってきます。残りの重量減少は、化学反応で発生する二酸化炭素や水によるものです。

焙煎スタイルと重量の減少。多くのスペシャリティコーヒーのロースターは、浅煎から中煎程度の焙煎を行い、重量の減少は大体11〜16%になると考えています。また、水分含量が高い生豆は、同じ焙煎をしても、より多くの重量を失います。


減少した重量をパーセンテージで計算するのは簡単です。


例えば、10kgの生豆を焙煎機に投入して、焙煎後のコーヒー豆の重量が8.5kgだった場合、豆は1.5kgの重さを失っています。このときの重量減少は次のように計算できます: (1.5 ÷ 10) × 100 = 15%


「収量」とは、焙煎後に残るコーヒーの重さをパーセンテージで表したものです。収量の計算方法は、重量減少の計算方法と似ています。

例えば、10kgの生豆から8.5kgの焙煎後コーヒーができた場合、収量は次のように計算できます: (8.5 ÷ 10) × 100 = 85%

収量がわかれば、どれだけの生豆を使えば、必要な量の焙煎後コーヒーが得られるか計算できます。計算式は次の通りです:

例えば、収量が85%で、焙煎後10kgのコーヒー豆を得たい場合、必要な生豆の量は次のように計算できます: (10 ÷ 85) × 100 = 11.76kg


どれくらいの生豆を焙煎すれば箱を満たせるか?収量がわかれば、必要な生豆の正確な量を計算することができます。


収量がわかれば、ビジネスに合ったバッチサイズを決めることができます。例えば、10kgの焼き豆を販売している場合、収量が85%であれば、1パッケージ分の焙き豆を得るには、少なくとも11.76kgの生豆を焙煎する必要があります。この場合、バッチサイズを12kgに設定すれば、10kgの焼き豆が確実に得られ、品質管理のための豆も少し確保できます。


2.02 終

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