ACM_2.3 抽出管理表(Brew Control Chart)の進化

抽出管理表(Brew Control Chart)の進化と18~22%の収率


 


1950年代にコーヒーの科学は革新的な動きを見せはじめました。 National Coffee AssociationはEarl E. Lockhart博士にマサチューセッツ工科大学(MIT)にて食品工学の博士号の取得を依頼しました。 コーヒーに関する博士号の取得は、コーヒー産業の歴史上初めてのことでした。

今日では広く受け入れられている知覚科学(Sensory Science)は、1950年代ではあまり知られていませんでした。 それでもLockhartは、官能検査をもとに今日でも使用されている最適な収率を設定しました。

もしある程度良い基準の豆を使用して18~22%の収率でコーヒーを抽出できているなら、間違いなく許容できる範囲の品質は担保できているでしょう。 しかし最高の味わいを求めるなら、焙煎プロファイルと使用する抽出機器の組み合わせを考慮して、どの程度の収率が適しているのか、理解する必要があります。

留意点:Lockhartがなぜ18~22%の収率をターゲットとして設定したのか、インスタントコーヒーを例にして考えてみましょう。 収率が28%を超える抽出はインスタントコーヒーではよく見られます。複数回に及ぶ抽出と150度に加圧された空間で抽出することで28%を超える収率を達成します。インスタントコーヒーの味覚的特徴は、苦味が強く、口が乾くようなドライな味わい、ダンボールのような味わいを連想させ、これは、過度な収率と味覚は相関性にないことを示唆しています。



1959年の当時の抽出管理表(Brew Control Chart)


2.3 終
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