ACM_4.1 TDSを固定して抽出した場合

TDSを固定して抽出した場合

もし固定した抽出比率で、挽き目を変えることで抽出をコントロールしているなら、それは収率を変えつつ濃度を変えていることを意味します。抽出コントロール表上の横軸を対角線状に移行することで、TDSを維持しながらより一貫性を得ることができます。抽出コントロール表を垂直ではなく水平方向に操作することが、抽出において最良の手法だと私たちは考えています。 


TDSを固定して収率を増やす

カフェ環境下での例として、挽き目を変えることでどうやって抽出コントロール表を水平方向に操作するか下記に示します:
  • まず、ブラインドテイスティングと濃度計測によって、エスプレッソのTDSの狙いを10%に設定します。

  • 18グラムのコーヒーを36グラムの液量で作ったとします。

  • 結果、狙いとするTDS値に到達したのに、味をとってみたらボディ感がとても弱いと判定したとします。

↑粉量18グラムで。0%TDSの36グラムの液量で収率20%

  • またこのショットをもっと甘くしたいと思ったとします。

  • 上記の目的を達成するために収率を増やすことにします。

  • 挽き目を細かくして(もしくは温度を上げて)粉量を17.5グラムに減らして10%のTDSを狙います。


↑粉量17.5グラム。TDSが10%、36グラムの液量で収率20.5%

この事例では収率を20%から20.5%にコントロールしました。

この動画ではMattがどうやって抽出方程式を使って、抽出コントロール表を水平方向に動かすか説明しています。


味覚に自信のある人にとっては、TDSを知ることに比べて実際の収率を知ることはさほど大事なことではないかもしれません。しかし、不快なフレーバーが未抽出あるいは過抽出によるものであるなら、収率を計測することは有意義と言えます。 このため屈折計は、顧客向けに一貫したTDSを届けるために非常に役立つ機器です。カフェの環境では屈折計は素早く確かな判断をする手助けとなります。

粉量を減らし、総溶解固形分の濃度を維持しつつ収率をあげたい場合にも、屈折計は非常に役立ちます。17.5グラムの粉量で36グラムの液量を抽出した際、収率は0.5%上がりますがTDSは変わりませんでした。粉量を減らすことで、よりバランスの取れた味わいとコストの削減においてメリットを得ることができます。


4.1 終

ブログに戻る