ACM_6.5 二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響

二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響

 

この動画では、MattがVSTコーヒーツールアプリで二酸化炭素と水分の設定を変えるとどうなるかを説明しています。

 

アンドロイドユーザー向けのスクリーンショット

ここでは、なぜ二酸化炭素量設定と水分値設定が重要か、コーヒーツールアプリのスクリーンショットの実例を使って説明します。

この例では液体保持率(LRR)はグラム当たり2ミリリットル、間質液のTDSが0%として設定しています。

 

例A:アンドロイド版VSTアプリのスクリーンショット 二酸化炭素量1%、水分値3%の含有率に着目してください。 
 

 

 

 

 

例B:二酸化炭素量と水分値の設定をゼロにしています。

 

 

不思議な点とその理由

この2つの例の最も大きな違いは二酸化炭素量1%、水分値3%で設定した方が収率が0.95%高いという点です。

不思議なことに全く同じ抽出比率で淹れた2つの液量(BEV)に2グラムの差があります。

なぜならコーヒーと抽出に使用した水の比率の変動は、使用するコーヒー量が少ないほど、粉に留まる液体も少なくなるという液体保持率の影響です。

もう一つ不思議なのは、最初の例の方が収率が0.95%高く、つまりほぼ1%であり、これは相当な影響であることでしょう。

これは例Aでは、二酸化炭素量1%、水分値3%設定により、15グラムでなく14.45グラムとされているためです。

例Bでは例Aより多い15グラムのコーヒーで、抽出に使用した水も例Aより0.45グラム少なくなっています。少ないコーヒーと少し多めの水であれば、同じTDS値でも高めの収率を得る結果となります。

 

極深煎りの場合

2ハゼ以降まで焙煎した深煎りだと、焙煎中に熱が加わることでより多くの炭水化物とクロロゲン酸が二酸化炭素と水蒸気に変わるため、二酸化炭素量は比較的多くなります。二酸化炭素の含有率が1%で水分含有率もたった1%だったとしてみましょう。

E. E Lockhartによる従来の計算式を用いると、20グラム:40グラムの抽出比率で淹れたTDS10%のエスプレッソはこのように算出されます:

固形分 4g

_________________ = 収率20%

粉量 20g


同じコーヒーで、深煎りの場合、高い二酸化炭素量(1%)低い水分値(1%)だと、式はこのようになります:

固形分 4g

________________________________ = 収率20.41%

20g - 0.2g (二酸化炭素) - 0.2g (水分)


さらに同じコーヒーで、浅煎りの場合、多い水分値(3%)とより低い二酸化炭素量(0.5%)だと、式はこのようになります:

固形分 4g

________________________________ = 収率20.73%

20g - 0.1g (二酸化炭素) - 0.6g (水分) 

 

6.5 終

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