IM_3.05 ジャグコーヒー

IM 3.05 ジャグコーヒー

「ジャグコーヒー」とは、カッピングと同様の方法で抽出するコーヒー器具のことですが、通常のカッピングよりも抽出する量は多くなります。このコーヒーの淹れ方はフレンチプレスよりも以前からあり、Encyclopedia of Domestic Economy (1855)によると、19世紀半ばにはイギリスで最も一般的なコーヒーの淹れ方とされていました。ジャグとスプーンだけで抽出ができて特別な部品などを必要としないので、ジャグコーヒーはその手軽さから絶大な人気を得ていました。

ジャグコーヒーで注目すべき特徴の1つは、その機能の拡張性の高さです。私たちがジャグコーヒーで淹れた際には1バッチで5リットルもの大量の抽出でき、優れたパフォーマンスを発揮しました。これはハンドドリップで抽出した場合のコーヒーの約20杯分に相当し、かつ1回のハンドドリップの抽出にかかる時間よりも短い時間で抽出できました。ただし大量のお湯を扱うときには火傷の恐れもあるので細心の注意を払ってください。

ジャグコーヒーの抽出量を増やす場合(この原則はフレンチプレスにも当てはまります)や、より大きい容量での抽出は、熱損失がよりゆっくりとなることを覚えておいてください。同じ湯温と抽出比率のとき、使用した湯量だけが異なる3条件のジャグコーヒーの温度推移を下のグラフでは確認できます。 1L注湯したジャグコーヒーの抽出では500mlのものよりも温度低下が遅かったことが分かります。そして250ml注湯された最小容量の抽出において最も速く温度が低下していきました。

注湯量が異なる3つのジャグコーヒーの温度推移を示すグラフ


抽出方法

ジャグコーヒーの抽出方法において推奨する点は、フレンチプレスとほとんど同じです。ただしジャグコーヒーは抽出量を多くすればするほど、抽出中の温度推移の低下が遅くなるため、収率が高くなる傾向があります。これを考慮すると、大量に抽出する際には僅かに粗い挽き目と僅かに低い湯温をレシピに反映すると良いでしょう。

ジャグから抽出したコーヒーをデカントするときは、スラリーを乱さないように、コーヒーをゆっくりとデカントする必要があります。ジャグコーヒーはフレンチプレスと異なり、コーヒーベッドを押さえるためのプランジャーが無いので、注ぐときにはより注意が必要です。コーヒーベッドの上部から粉が溢れないように、最後のカップにコーヒーを注ぐ際には特に注意してください。

ジャグコーヒーの抽出液が空に近づき、ジャグコーヒーの底に沈んでいたコーヒーの粉がギリギリで押し留まっている状態



3.05 終

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