バリスタワン_7.03 洗浄
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エスプレッソマシンの洗浄
エスプレッソマシンの洗浄を習慣化する
エスプレッソマシンを1時間ほど使い続けるとコーヒーの油分やカスが蓄積して、エスプレッソの風味にも影響が出始めます。そのため、少なくとも1時間に1回はマシンを洗浄するようにしましょう。コーヒーのカスなどが最も溜まりやすい場所はポルタフィルターです。ポルタフィルターは30分ごとに(フィルターバスケットを取り外して)内側も乾いたダスターで拭く必要があります。
次に優先順位が高い作業はグループヘッドの洗浄です。抽出が終わった直後に圧を逃がすためエスプレッソが逆流します。シャワーフィルターの裏にある排気弁(別名:電磁弁)は抽出が終わるたびに開いて圧力を解放し、抽出が始まると再び閉じます。この周辺に溜まる油分やカスを取り除いて清潔に保つためには、1時間ごとにバックフラッシュを行う必要があります。
1つのグループでコーヒーを抽出しながら、同時に別のグループでバックフラッシュを行っても問題ありません。グループ同士は互いに繋がっていないため、洗浄剤を使ったとしても安全です。
バックフラッシュの手順
この動画では、バリスタハッスルが推奨するエスプレッソマシンの洗浄手順を解説しています。
1時間ごと
・シャワーフィルターとガスケット周辺の汚れを取り除きます。
・ブラインドフィルター(掃除用フィルター)をホルダーにはめます。
・ハンドル部を握ったまま緩くポルタフィルターを装着した状態で、2~3秒間フィルターの周りをお湯であふれさせ、ハンドルを動かしながらすすぎます。
・ブラインドフィルターを取り付けたポルタフィルターをグループヘッドに装着します。
・5秒間のバックフラッシュを5秒間隔で5回以上繰り返します。
シフト中に2回:ランチタイム後のアイドルタイムとラストオーダー後に
・専用の洗浄剤を小さじ4分の1程度ブラインドフィルターに入れ、上記の手順に倣います。
・バックフラッシュを繰り返し行う際は、シャワーフィルターが正しく装着されているか確認してください。洗浄剤や大きな粉によって排気弁(別名:電磁弁)が詰まることを防ぐためです。
・洗浄剤を使って5秒間のバックフラッシュを10回行います。
・洗浄剤の臭いがなくなるまでブラインドフィルターでよくすすぎます。
・お湯だけで更に10回バックフラッシュを繰り返します。
洗浄剤の適切な使用方法
エスプレッソマシンの洗浄剤は様々なアルカリ性の化学物質から作られています。これらの化学物質には腐食性があり、特にアルミニウムに対して顕著に作用します。洗浄剤の過度な使用は避け、パッケージに記載された使用方法を守りましょう。洗剤が肌に触れないよう気を付け、万が一肌に触れたらすぐに水で洗い流してください。
ポルタフィルター、フィルターバスケット、シャワースクリーンなどの部品を洗浄液に浸す
グループヘッドやポルタフィルターなど取り外しが出来る部品は、毎日15分間洗浄液に浸して手入れします。ただしポルタフィルターのハンドル部は洗浄液に浸さないように注意してください。洗浄液に浸すことでポルタフィルターの底部やスパウト内部から効果的に汚れを洗い落せます。毎日夕方頃に実施して、各部品を水でよくすすぎます。洗浄剤を入れる水温が高いほどエスプレッソマシンの洗浄剤が効果的に働きます。
真鍮vsステンレス
過去10年間で、エスプレッソマシンの取り外しが出来る部品の多くは、真鍮(ブラス)製からステンレス製に変わってきています。ポルタフィルターなどの材質としては、どちらにも長所と短所がありますが、真鍮の方が洗浄がとても難しいとされています。時間が経つと真鍮には濃い色ムラが生じます。以前は研磨材で汚れを擦り落としてきましたが、今ではこの方法はお勧めできません。擦り落とす代わりに、すべての真鍮製の部品を欠かさず洗浄剤入りの熱いお湯に15分間浸すよう心がけましょう。
グラインダーの清掃
この動画では、グラインダーの日々の清掃手順を解説しています。