無料プレビュー

ドリップとバッチブリュー_7.03 原価計算

7.03 原価計算 原価計算 コーヒーマシンやバッチブリュワーの抽出と比較して、ハンドドリップで抽出に要する人件費には格段の差があります。コーヒーマシンやバッチブリュワーの抽出における経費節減の一因は抽出工程の自動化にあります。ただし、大きな節減につながるのは数杯分を一度に作るバッチブリュワーです。すなわち、ハンドドリップコーヒーの小売価格は、バッチブリュワーよりもはるかに高く設定する必要があるということです。 透過法で抽出したコーヒーの小売価格を適正に設定するためには、バリスタが1杯分を作るために要する時間、つまり準備から出来上がりまでの時間を正確に知ることが特に重要です。カフェのワークフローのベースラインとして設けた時間目標(レッスン7.02を参照)を使用することで、バッチブリュワーのフィルターコーヒーを2分と掛からずに用意できます。これには、前回抽出した際のバッチブリュワーに残っている粉を廃棄するステップから、湯通し、フィルターバスケットの予熱、そして抽出ボタンをオンにするまでのすべてのステップが含まれます。バッチブリュワーでは抽出サイクルが機械化されているので、そこから先は人手がかかりません。そのため、抽出サイクルの時間を加算する必要はありません。 1杯あたりの最終的な人件費を導き出すには、カフェで提供する1杯のコスト構造を知る必要があります。バリスタは、すべてのコーヒーが適正な価格となるよう、1杯分の基準提供量を守り、できる限り一貫性を保つよう努める必要があります。バッチブリュワーから何杯分のコーヒーがとれるかを確認したら、作成にかかる人件費を提供杯数で割ることができます 。液体保持率が抽出液の量に影響するという、レッスン2.02で学んだことを思い出してください。ドリップコーヒーの場合、抽出後のコーヒーかすには、コーヒーの粉1gあたり平均2.2 gの水が保持されています。例えば、120 gのコーヒーの粉を使用する2リットルのバッチでは、ドース量1gあたり2g強の抽出液を失う傾向があります。よって、このケースでは、コーヒーかすに264 gの水が保持されることが予想されます。これは、2リットルバッチあたりおよそ1杯分です。 作業の同時並行スキルに長けた効率的なバリスタは、希釈フェーズが終了するまで2分ごとにドリップコーヒーを淹れることもできます(注湯回数が2回のみの場合)。しかしながら、これは1杯分に2分を要するということで、それに対して通常の2リットルのバッチサイズからは8杯分とれます。ハンドドリップの相対的な労働の非効率性は、コーヒーマシンで抽出した同じコーヒーと比べたときに、小売価格をより高く設定する必要があることを意味します。 最終的にカフェのドリンクの価格は、家賃や光熱費といった多くの要因に左右されます。とはいえ、人件費と原材料費で大方カバーできるように、 コーヒー価格計算ツールを作成しました(レッスン7.04を参照)。最終的な利益を適宜調整し、透過法によるコーヒーの最終提示価格の決定に役立てることができます。 参照基準として、What I Know About Running Coffee Shops の著者であるコリン・ハーモンより、彼の秀逸な著書からこのインフォグラフィック(下記)の転載を許可してもらいました。カフェの健全な財務の大まかな指標として、コリンは、人件費の総額を売上高(売上税を含まない)の約31%とすることを推奨しています。その数値をベースラインとして使用する場合、この数値をオーバーしているときにコーヒー価格計算ツールを使え ば、ハンドドリップ工程のどのポイントに問題があるのかを確認できます。例えば、業界平均に基づいて私たちがここで示したように、ドリップコーヒーを作るのに4分以上要する場合、 毎分レベルで31%を超す人件費がかかることになります。 著者コリン・ハーモンの許諾を得て、What I Know About Running Coffee Shopsより転載されたインフォグラフィック スペシャルティコーヒーショップでは、シフトを通して絶え間なくハンドドリップコーヒーを作るということはまずありません。コリンのいう31%という数字は、単に作業中の任意の1分間を切り取ったものではなく、1年間を通しての年間売上高に照らしたものです。ただし、ハンドドリップで淹れる毎分ごとに、1分あたりの人件費が1分あたりの正味利益の31%を超える場合は、作業効率を上げるか、ハンドドリップコーヒーの価格を上げるかの2つのうちいずれかの対策をお勧めします。 7.03...

ドリップとバッチブリュー_7.03 原価計算

7.03 原価計算 原価計算 コーヒーマシンやバッチブリュワーの抽出と比較して、ハンドドリップで抽出に要する人件費には格段の差があります。コーヒーマシンやバッチブリュワーの抽出における経費節減の一因は抽出工程の自動化にあります。ただし、大きな節減につながるのは数杯分を一度に作るバッチブリュワーです。すなわち、ハンドドリップコーヒーの小売価格は、バッチブリュワーよりもはるかに高く設定する必要があるということです。 透過法で抽出したコーヒーの小売価格を適正に設定するためには、バリスタが1杯分を作るために要する時間、つまり準備から出来上がりまでの時間を正確に知ることが特に重要です。カフェのワークフローのベースラインとして設けた時間目標(レッスン7.02を参照)を使用することで、バッチブリュワーのフィルターコーヒーを2分と掛からずに用意できます。これには、前回抽出した際のバッチブリュワーに残っている粉を廃棄するステップから、湯通し、フィルターバスケットの予熱、そして抽出ボタンをオンにするまでのすべてのステップが含まれます。バッチブリュワーでは抽出サイクルが機械化されているので、そこから先は人手がかかりません。そのため、抽出サイクルの時間を加算する必要はありません。 1杯あたりの最終的な人件費を導き出すには、カフェで提供する1杯のコスト構造を知る必要があります。バリスタは、すべてのコーヒーが適正な価格となるよう、1杯分の基準提供量を守り、できる限り一貫性を保つよう努める必要があります。バッチブリュワーから何杯分のコーヒーがとれるかを確認したら、作成にかかる人件費を提供杯数で割ることができます 。液体保持率が抽出液の量に影響するという、レッスン2.02で学んだことを思い出してください。ドリップコーヒーの場合、抽出後のコーヒーかすには、コーヒーの粉1gあたり平均2.2 gの水が保持されています。例えば、120 gのコーヒーの粉を使用する2リットルのバッチでは、ドース量1gあたり2g強の抽出液を失う傾向があります。よって、このケースでは、コーヒーかすに264 gの水が保持されることが予想されます。これは、2リットルバッチあたりおよそ1杯分です。 作業の同時並行スキルに長けた効率的なバリスタは、希釈フェーズが終了するまで2分ごとにドリップコーヒーを淹れることもできます(注湯回数が2回のみの場合)。しかしながら、これは1杯分に2分を要するということで、それに対して通常の2リットルのバッチサイズからは8杯分とれます。ハンドドリップの相対的な労働の非効率性は、コーヒーマシンで抽出した同じコーヒーと比べたときに、小売価格をより高く設定する必要があることを意味します。 最終的にカフェのドリンクの価格は、家賃や光熱費といった多くの要因に左右されます。とはいえ、人件費と原材料費で大方カバーできるように、 コーヒー価格計算ツールを作成しました(レッスン7.04を参照)。最終的な利益を適宜調整し、透過法によるコーヒーの最終提示価格の決定に役立てることができます。 参照基準として、What I Know About Running Coffee Shops の著者であるコリン・ハーモンより、彼の秀逸な著書からこのインフォグラフィック(下記)の転載を許可してもらいました。カフェの健全な財務の大まかな指標として、コリンは、人件費の総額を売上高(売上税を含まない)の約31%とすることを推奨しています。その数値をベースラインとして使用する場合、この数値をオーバーしているときにコーヒー価格計算ツールを使え ば、ハンドドリップ工程のどのポイントに問題があるのかを確認できます。例えば、業界平均に基づいて私たちがここで示したように、ドリップコーヒーを作るのに4分以上要する場合、 毎分レベルで31%を超す人件費がかかることになります。 著者コリン・ハーモンの許諾を得て、What I Know About Running Coffee Shopsより転載されたインフォグラフィック スペシャルティコーヒーショップでは、シフトを通して絶え間なくハンドドリップコーヒーを作るということはまずありません。コリンのいう31%という数字は、単に作業中の任意の1分間を切り取ったものではなく、1年間を通しての年間売上高に照らしたものです。ただし、ハンドドリップで淹れる毎分ごとに、1分あたりの人件費が1分あたりの正味利益の31%を超える場合は、作業効率を上げるか、ハンドドリップコーヒーの価格を上げるかの2つのうちいずれかの対策をお勧めします。 7.03...

ドリップとバッチブリュー_5.01 ライムスケール

5.01  ライムスケール ライムスケール 水を使用した機器のトラブルで最もよく起こる問題がライムスケールです。溶解したカルシウムとマグネシウム塩を含む水(通常は、雨水が岩盤に浸透して地下水となったもの)は、加熱するとこれらのミネラルを一部放出する傾向があります。外気と接触していた水には溶存二酸化炭素(CO2)も含まれています。溶存カルシウムと溶存二酸化炭素は水中で結合し、重炭酸カルシウムを形成します。この物質は、化学構造を変化させ、CO2を放出することで初めてライムスケールを形成します。抽出の際に水を熱するとCO2が放出され、炭酸カルシウムという化合物が生成されます。その後、この化合物は水の底に沈んで(沈殿)ヒーティングエレメントとボイラーの表面に付着し、ライムスケールと全く同じ材質で皮膜を形成します。 幸いにもコーヒーメーカーは、通常はそれほど流量を制限しないため、エスプレッソマシンよりもライムスケールが付着しにくい傾向にあります。コーヒーメーカーにおける流量制限は、エスプレッソマシンのような、水が直径わずか0.5 mmのフローリストリクターを通過するような設計ではありませが、コーヒーメーカーのヒーティングエレメントとスプレーヘッドにはライムスケールが蓄積する傾向があります。バッジブリュワーのような大型コーヒーマシンのヒーティングエレメントは、通常、厚みのある銅ないしアルミニウム板がねじれた形をしています。銅やアルミニウムほどの熱伝導性がないライムスケールは、ヒーティングエレメントを絶縁層で包み込むような働きをします。 必要以上に光熱費がかかることを防ぎ、コーヒーメーカーから水漏れが起きないようにするため、ライムスケールの除去が必要か否か定期的に見極めることが大切です。除去が必要か否かの判断に際しては、専門のメンテナンススタッフが点検とライムスケール除去作業を行う必要があります。わずかに付着したライムスケールは、ヒーティングエレメントとボイラー内側の表面保護に役立ちます。ライムスケールの薄層が粉砂糖をまぶしたように見えるときは、マシンはまだ最適な状態で動作している可能性が高いです。付着物がこれよりも厚いようなら、マシンのライムスケール除去が必要です。居住地が硬水地域ではない人、水の管理を厳密に行っている人、目立ったライムスケール蓄積の跡が機械に見られない人には、定期的なライムスケールの除去はおすすめしません。 機材のライムスケール除去を正しく行う場合、機器の分解・再構築と金属部品すべての酸性溶液への浸漬が伴います。ライムスケールの付着がそれほどないにもかかわらず頻繁に実施した場合、この工程により機器の部品に腐食が生じる恐れがあります。したがって、慎重に管理を行う必要があります。 5.01 終

ドリップとバッチブリュー_5.01 ライムスケール

5.01  ライムスケール ライムスケール 水を使用した機器のトラブルで最もよく起こる問題がライムスケールです。溶解したカルシウムとマグネシウム塩を含む水(通常は、雨水が岩盤に浸透して地下水となったもの)は、加熱するとこれらのミネラルを一部放出する傾向があります。外気と接触していた水には溶存二酸化炭素(CO2)も含まれています。溶存カルシウムと溶存二酸化炭素は水中で結合し、重炭酸カルシウムを形成します。この物質は、化学構造を変化させ、CO2を放出することで初めてライムスケールを形成します。抽出の際に水を熱するとCO2が放出され、炭酸カルシウムという化合物が生成されます。その後、この化合物は水の底に沈んで(沈殿)ヒーティングエレメントとボイラーの表面に付着し、ライムスケールと全く同じ材質で皮膜を形成します。 幸いにもコーヒーメーカーは、通常はそれほど流量を制限しないため、エスプレッソマシンよりもライムスケールが付着しにくい傾向にあります。コーヒーメーカーにおける流量制限は、エスプレッソマシンのような、水が直径わずか0.5 mmのフローリストリクターを通過するような設計ではありませが、コーヒーメーカーのヒーティングエレメントとスプレーヘッドにはライムスケールが蓄積する傾向があります。バッジブリュワーのような大型コーヒーマシンのヒーティングエレメントは、通常、厚みのある銅ないしアルミニウム板がねじれた形をしています。銅やアルミニウムほどの熱伝導性がないライムスケールは、ヒーティングエレメントを絶縁層で包み込むような働きをします。 必要以上に光熱費がかかることを防ぎ、コーヒーメーカーから水漏れが起きないようにするため、ライムスケールの除去が必要か否か定期的に見極めることが大切です。除去が必要か否かの判断に際しては、専門のメンテナンススタッフが点検とライムスケール除去作業を行う必要があります。わずかに付着したライムスケールは、ヒーティングエレメントとボイラー内側の表面保護に役立ちます。ライムスケールの薄層が粉砂糖をまぶしたように見えるときは、マシンはまだ最適な状態で動作している可能性が高いです。付着物がこれよりも厚いようなら、マシンのライムスケール除去が必要です。居住地が硬水地域ではない人、水の管理を厳密に行っている人、目立ったライムスケール蓄積の跡が機械に見られない人には、定期的なライムスケールの除去はおすすめしません。 機材のライムスケール除去を正しく行う場合、機器の分解・再構築と金属部品すべての酸性溶液への浸漬が伴います。ライムスケールの付着がそれほどないにもかかわらず頻繁に実施した場合、この工程により機器の部品に腐食が生じる恐れがあります。したがって、慎重に管理を行う必要があります。 5.01 終

ドリップとバッチブリュー_4.03 フィルターバスケット

4.03 フィルターバスケット 各フィルターバスケットの長所と短所(平底型、円錐型、台形型) バスケットタイプ 長所 短所 平底型カリタ 「カリタのメリットは、均一な抽出が容易な点です。」ー スコット・ラオ均一な抽出が容易です。大多数のスタッフ間で一貫性を保ち、キャリブレーションを容易に行うことができます。 ウェーブフィルターを使用することで、ペーパーの波打った部分とドリッパーの間に空気の断熱層が得られます。魔法瓶などの保温容器は、空気の熱伝導率が低いことを利用して、空気の層で熱損失を大幅に削減します。このため、平底型ドリッパーは他のデザインにはない大きなメリットがあります。 ウェーブ形状のペーパーフィルターの折り目には、コーヒーの粉が張り付きがちです。01サイズ用のウェーブフィルターの難点は、縁が波型形状のため、ペーパーフィルターの表面積が増え、スラリーの縁に逃げ道となる細孔ができることです。これにより、従来の円錐型ペーパーフィルターと比べて数千もの逃げ道が余計にできてしまいます。ウェーブの溝に張り付いたコーヒーから、過剰なチャネリングを引き起こす可能性があります。 大型平底型(バッチブリュワー)Fetco(フェトコ)Bunn(バン)Fetco(フェトコ)Marco(マルコ)Curtis(カーティス)Hipster(ヒップスター) バリスタハッスルでは、円錐型よりも平底型のほうが均一な抽出をより簡単に実現できると考えています。 ファンネルは大抵スプレーヘッドの下にあり、スラリーを手動で攪拌することはできません 。 円錐型V60Kono(コーノ)Kinto(キントー) 平底だと、コーヒーベッドを平らにするのが簡単なため、「ラオスピン」を容易に行うことができます。「[円錐型の] V60または[平底型の]Melitaドリッパーの主なメリットは、適切なサイズのドリッパーを使用すると、バリスタは蒸らし後のお湯を一度に全部、時間をかけずに加えられることです。」ー スコット・ラオ 円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持しやすい形状をしています。 リブのない円錐形Chemex(ケメックス) これにより、ドローダウン後の平らなコーヒーベッドを容易に実現できます。ガラスは、ドリッパーにリブがなく、表面が平滑な場合は特に手入れが簡単です。加えて、ガラスは比較的低い比熱を持っています。 ケメックスはウェーブフィルターには適応していません。底面の穴からすぐに抜け落ちてしまいます。ケメックス専用のペーパーフィルターは、特定の部分がガラスに吸着するようになっています。この付加摩擦により、抽出器具のくびれ部分をすり抜けるのを防ぎます。これにより、ペーパーからの液体の流出が抑えられ、抽出時間が多少長くなります。さらに、このことでガラスからより多くの熱を伝導しやすくなります。 ケメックス用のペーパーフィルターはクレープ加工されていません。おそらく、下のサーバーに落ちないようにガラス製ドリッパーの側面に吸着させるためだと推測されます。これには、細孔の数を減らすことで、抽出時間を引き伸ばす効果があります。 ペーパーフィルターは、折り畳んで使う円形フィルターのみ用意されています。ケメックス用のものは折りたたむ必要があるため、片側が3枚、反対側が1枚だけになります。 台形型Moccamaster(モカマスター)Wilfa(ウィルファ)Clever(クレバー)メリタ 私たちの経験上、このデザインではコーヒーベッドの底に空気が溜まるという問題もあまり起こりません。 台形の形状により、蒸らし中にコーヒーベッドの底を揺すって攪拌するのも容易です。よって、ペーパーフィルターが目詰まりしにくくなります。 円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持します。 これらのデザインは、ペーパーフィルターの各種汎用品と互換性がないので注意が必要です。...

ドリップとバッチブリュー_4.03 フィルターバスケット

4.03 フィルターバスケット 各フィルターバスケットの長所と短所(平底型、円錐型、台形型) バスケットタイプ 長所 短所 平底型カリタ 「カリタのメリットは、均一な抽出が容易な点です。」ー スコット・ラオ均一な抽出が容易です。大多数のスタッフ間で一貫性を保ち、キャリブレーションを容易に行うことができます。 ウェーブフィルターを使用することで、ペーパーの波打った部分とドリッパーの間に空気の断熱層が得られます。魔法瓶などの保温容器は、空気の熱伝導率が低いことを利用して、空気の層で熱損失を大幅に削減します。このため、平底型ドリッパーは他のデザインにはない大きなメリットがあります。 ウェーブ形状のペーパーフィルターの折り目には、コーヒーの粉が張り付きがちです。01サイズ用のウェーブフィルターの難点は、縁が波型形状のため、ペーパーフィルターの表面積が増え、スラリーの縁に逃げ道となる細孔ができることです。これにより、従来の円錐型ペーパーフィルターと比べて数千もの逃げ道が余計にできてしまいます。ウェーブの溝に張り付いたコーヒーから、過剰なチャネリングを引き起こす可能性があります。 大型平底型(バッチブリュワー)Fetco(フェトコ)Bunn(バン)Fetco(フェトコ)Marco(マルコ)Curtis(カーティス)Hipster(ヒップスター) バリスタハッスルでは、円錐型よりも平底型のほうが均一な抽出をより簡単に実現できると考えています。 ファンネルは大抵スプレーヘッドの下にあり、スラリーを手動で攪拌することはできません 。 円錐型V60Kono(コーノ)Kinto(キントー) 平底だと、コーヒーベッドを平らにするのが簡単なため、「ラオスピン」を容易に行うことができます。「[円錐型の] V60または[平底型の]Melitaドリッパーの主なメリットは、適切なサイズのドリッパーを使用すると、バリスタは蒸らし後のお湯を一度に全部、時間をかけずに加えられることです。」ー スコット・ラオ 円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持しやすい形状をしています。 リブのない円錐形Chemex(ケメックス) これにより、ドローダウン後の平らなコーヒーベッドを容易に実現できます。ガラスは、ドリッパーにリブがなく、表面が平滑な場合は特に手入れが簡単です。加えて、ガラスは比較的低い比熱を持っています。 ケメックスはウェーブフィルターには適応していません。底面の穴からすぐに抜け落ちてしまいます。ケメックス専用のペーパーフィルターは、特定の部分がガラスに吸着するようになっています。この付加摩擦により、抽出器具のくびれ部分をすり抜けるのを防ぎます。これにより、ペーパーからの液体の流出が抑えられ、抽出時間が多少長くなります。さらに、このことでガラスからより多くの熱を伝導しやすくなります。 ケメックス用のペーパーフィルターはクレープ加工されていません。おそらく、下のサーバーに落ちないようにガラス製ドリッパーの側面に吸着させるためだと推測されます。これには、細孔の数を減らすことで、抽出時間を引き伸ばす効果があります。 ペーパーフィルターは、折り畳んで使う円形フィルターのみ用意されています。ケメックス用のものは折りたたむ必要があるため、片側が3枚、反対側が1枚だけになります。 台形型Moccamaster(モカマスター)Wilfa(ウィルファ)Clever(クレバー)メリタ 私たちの経験上、このデザインではコーヒーベッドの底に空気が溜まるという問題もあまり起こりません。 台形の形状により、蒸らし中にコーヒーベッドの底を揺すって攪拌するのも容易です。よって、ペーパーフィルターが目詰まりしにくくなります。 円錐型のドリッパーは、その基底部が尖った形状をしているため、空気を長時間保持します。 これらのデザインは、ペーパーフィルターの各種汎用品と互換性がないので注意が必要です。...

ドリップとバッチブリュー_3.04 乱流

3.04 乱流 乱流 Coffee Brewing Handbookで、テッド・リングルは「均等な水の浸透を促し、コーヒーの成分を効率良く抽出するために、お湯が個々のコーヒー粒子を浮かせて引き離さなければならない。」と述べています。しかしながら、彼はまた、「コーヒーベッド全体に均等にお湯が行きわたるように、満遍なく穏やかにコーヒーの粉にお湯を加えなければならない」とも述べています。ですので、バッチブリュワーに応用する場合は、乱流を抑えるために、スプレーヘッド(お湯が出る場所)にはできるだけ多くの吐出口(お湯を出す穴)を設けることをお勧めしています。そうすることで、それぞれの吐出口から流入する蒸気によって生じる乱流を極力拡散することができます (スプレーヘッドについては、レッスン4.02で詳しく説明します)。水流と接触する際のコーヒーの粉の挙動を調べるために、ケトル、そしてコーヒーメーカーのスプレーヘッドの両方で、実験を行いました。これらの実験結果より、一本の水流によって生じる乱流の影響は、業界で過小評価されていると結論付けました。流量の影響を観察する最初の実験では、コーヒーの粉を非常に高いレベルまで抽出でき、 非常に高い収率になりました。また、液体へ注湯する際に、水面下で何が起こっているのか視覚的に理解を深めることができました。‌2番目の実験では、バッチブリュワーにセットしたペーパーフィルターの底部に、アート作品に使用される類のグリッターを散らしました。抽出工程が完了した後、コーヒーベッド全体への粒子の広がり具合を観察しました。意外にも、グリッターは、コーヒーベッドの底で封じ込められているのではなく、コーヒーベッド全体にかなり均一に分散していました。‌以下の動画でも見ることができますが、3番目の実験では、強力な照明と透明なV60ドリッパーを使用してスラリーを観察しました。ペーパーフィルターを使用することなく抽出できるように、V60を加工して実験を行っています。   3.04 終

ドリップとバッチブリュー_3.04 乱流

3.04 乱流 乱流 Coffee Brewing Handbookで、テッド・リングルは「均等な水の浸透を促し、コーヒーの成分を効率良く抽出するために、お湯が個々のコーヒー粒子を浮かせて引き離さなければならない。」と述べています。しかしながら、彼はまた、「コーヒーベッド全体に均等にお湯が行きわたるように、満遍なく穏やかにコーヒーの粉にお湯を加えなければならない」とも述べています。ですので、バッチブリュワーに応用する場合は、乱流を抑えるために、スプレーヘッド(お湯が出る場所)にはできるだけ多くの吐出口(お湯を出す穴)を設けることをお勧めしています。そうすることで、それぞれの吐出口から流入する蒸気によって生じる乱流を極力拡散することができます (スプレーヘッドについては、レッスン4.02で詳しく説明します)。水流と接触する際のコーヒーの粉の挙動を調べるために、ケトル、そしてコーヒーメーカーのスプレーヘッドの両方で、実験を行いました。これらの実験結果より、一本の水流によって生じる乱流の影響は、業界で過小評価されていると結論付けました。流量の影響を観察する最初の実験では、コーヒーの粉を非常に高いレベルまで抽出でき、 非常に高い収率になりました。また、液体へ注湯する際に、水面下で何が起こっているのか視覚的に理解を深めることができました。‌2番目の実験では、バッチブリュワーにセットしたペーパーフィルターの底部に、アート作品に使用される類のグリッターを散らしました。抽出工程が完了した後、コーヒーベッド全体への粒子の広がり具合を観察しました。意外にも、グリッターは、コーヒーベッドの底で封じ込められているのではなく、コーヒーベッド全体にかなり均一に分散していました。‌以下の動画でも見ることができますが、3番目の実験では、強力な照明と透明なV60ドリッパーを使用してスラリーを観察しました。ペーパーフィルターを使用することなく抽出できるように、V60を加工して実験を行っています。   3.04 終

ドリップとバッチブリュー_2.04 グラインド

2.04 グラインド グラインド 時間と挽き目の関係 「抵抗」という言葉は、抽出時間と挽き目設定の相互関係を表します。コーヒーを一切挽かずに豆のままドリップを行った場合、15秒程度でお湯がすべて落ち切るでしょう。お湯は、豆の間の大きな隙間を容易に通り抜けることができます。豆のままのコーヒーは、水の流れに対する抵抗がありません。ただし、エスプレッソマシンを使って同様の実験を行った場合(バリスタワンコースで行うように)、15秒弱ほどかかるでしょう。ドリップコーヒーでは、エスプレッソマシンのようにポンプでお湯が押し出されていないため、もう少し時間がかかります。ペーパーフィルターも少し抵抗を増やします。ペーパーフィルターの穴は直径約20μmと非常に小さいため、相当な抵抗が生じると思うかもしれません しかし、穴は無数にあいているため、その何百万もの穴の表面積を合計すると、大きめの穴の表面積と同じになります。極細に挽いたコーヒー粉を使用すると、ペーパーフィルターの目が詰まることがあります。紙の細孔は、微粒子(コーヒーの微粉)が詰まりやすい傾向があります。微粉で完全に穴が詰まってしまい、お湯が一切流れなくなることがあります。製紙業界では、この過程を沈殿と呼んでいます。このため、ドリップコーヒーを作る際には、微粉を過剰に生成するコーヒーグラインダーの使用に注意が必要です。コーヒーグラインダーはどれも相当な量の微粉を生成しますが、スパイスミルなど一部のグラインダーは、フィルターコーヒーの用途には向きません。ペーパーフィルターの20 μmの穴に完全に収まるほど小さなコーヒーの微粉の割合は、コーヒー粉の総質量の1%未満です。しかしながら、ドリップコーヒーに適した一般的なグラインドプロファイルで、コーヒーの粒子を質量ではなく数で測定した場合、100 μm超の粒子1個につき、それ以下のサイズの粒子が1億個あることが研究でわかっています。これは、細孔の数を桁違いに上回るものです。 顕微鏡によるペーパーフィルターの拡大写真 微粉の移動 コーヒーを粗く挽くほど、生成される微粉は少なくなります。これの良い例えは、大工が木の板を切断することです。大工が切り出す木片の数が多くなるほど、おがくずの出る量も多くなります。バリスタにとって、おがくずに相当するものが微粉です。すべてのコーヒーグラインダーは微粉を生成し、微粉はすべて透過の特性によって、コーヒーベッド内でより低い場所へ移動する傾向があります。‌エスプレッソ抽出の際に見られる微粉の移動は、透過法による抽出では大幅に減少します。それは沈積によって生じるフィルターベッドの性質によるものです。コーヒーには、自身をろ過するという独特の特徴があります。粒子は、コーヒーベッドの中でさらに下へと洗い流されないように、粒子同士ぴったりとくっつきます。この性質により、フィルターコーヒーの特徴的な透明感と滑らかな口当たりが作り出されます。 2.04 終

ドリップとバッチブリュー_2.04 グラインド

2.04 グラインド グラインド 時間と挽き目の関係 「抵抗」という言葉は、抽出時間と挽き目設定の相互関係を表します。コーヒーを一切挽かずに豆のままドリップを行った場合、15秒程度でお湯がすべて落ち切るでしょう。お湯は、豆の間の大きな隙間を容易に通り抜けることができます。豆のままのコーヒーは、水の流れに対する抵抗がありません。ただし、エスプレッソマシンを使って同様の実験を行った場合(バリスタワンコースで行うように)、15秒弱ほどかかるでしょう。ドリップコーヒーでは、エスプレッソマシンのようにポンプでお湯が押し出されていないため、もう少し時間がかかります。ペーパーフィルターも少し抵抗を増やします。ペーパーフィルターの穴は直径約20μmと非常に小さいため、相当な抵抗が生じると思うかもしれません しかし、穴は無数にあいているため、その何百万もの穴の表面積を合計すると、大きめの穴の表面積と同じになります。極細に挽いたコーヒー粉を使用すると、ペーパーフィルターの目が詰まることがあります。紙の細孔は、微粒子(コーヒーの微粉)が詰まりやすい傾向があります。微粉で完全に穴が詰まってしまい、お湯が一切流れなくなることがあります。製紙業界では、この過程を沈殿と呼んでいます。このため、ドリップコーヒーを作る際には、微粉を過剰に生成するコーヒーグラインダーの使用に注意が必要です。コーヒーグラインダーはどれも相当な量の微粉を生成しますが、スパイスミルなど一部のグラインダーは、フィルターコーヒーの用途には向きません。ペーパーフィルターの20 μmの穴に完全に収まるほど小さなコーヒーの微粉の割合は、コーヒー粉の総質量の1%未満です。しかしながら、ドリップコーヒーに適した一般的なグラインドプロファイルで、コーヒーの粒子を質量ではなく数で測定した場合、100 μm超の粒子1個につき、それ以下のサイズの粒子が1億個あることが研究でわかっています。これは、細孔の数を桁違いに上回るものです。 顕微鏡によるペーパーフィルターの拡大写真 微粉の移動 コーヒーを粗く挽くほど、生成される微粉は少なくなります。これの良い例えは、大工が木の板を切断することです。大工が切り出す木片の数が多くなるほど、おがくずの出る量も多くなります。バリスタにとって、おがくずに相当するものが微粉です。すべてのコーヒーグラインダーは微粉を生成し、微粉はすべて透過の特性によって、コーヒーベッド内でより低い場所へ移動する傾向があります。‌エスプレッソ抽出の際に見られる微粉の移動は、透過法による抽出では大幅に減少します。それは沈積によって生じるフィルターベッドの性質によるものです。コーヒーには、自身をろ過するという独特の特徴があります。粒子は、コーヒーベッドの中でさらに下へと洗い流されないように、粒子同士ぴったりとくっつきます。この性質により、フィルターコーヒーの特徴的な透明感と滑らかな口当たりが作り出されます。 2.04 終

ドリップとバッチブリュー_コースの内容

ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~ コースと修了証 サードウェーブに代表されるバリスタは、お代わり自由が当たり前だったコーヒー文化から、ハンドドリップやバッチブリューなど、コーヒーそのものの品質を楽しむフィルターコーヒーへ文化を一変させ、ワイン業界の成果に匹敵する専門分野へと変貌を遂げてきました。透過法は、最も滑らかでクリーンなコーヒーの抽出を可能にし、人々の喉の渇きを癒す素晴らしい抽出方法です。ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~は、重力を利用したドリップコーヒーの芸術と科学をあらゆる面から探求するコースです。 各章のコンテンツに関して ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~は、7つの章から構成されています。第1章では、透過の力学について学びます。またガラスやセラミック、プラスチックなどのドリッパーの素材とペーパーフィルターとの物理的な効果について説明します。また、バッチブリューとドリップコーヒーを一貫した品質で抽出するために必要な全てのステップを紹介します。 第2章では、抽出したコーヒーの液量、抽出温度のトラッキング方法、抽出時間と挽き目の実践的な設定方法について説明します。次に、第3章では、複雑な変数とされる乱流(Turbulence)、コーヒーベッドの深さ、および水流が抽出に及ぼす影響について説明します。チャネリングを防ぐために、これらの変数をコントロールする重要性を学びます。 第4章と第5章では、近年注目を集めているバッチブリュワーのプログラミングと抽出サイクルについて説明します。また、ペーパーフィルターの素材や製造工程、コーヒーマシンのライムスケールや腐食を防ぐ方法を学びます。第6章では、店舗で抽出したコーヒーを液体で保管する場合に最も有効な方法を綿密に検証します。既に確立されている理論をBH独自の実験とブラインドテイスティングを通してスペシャルティコーヒーに合わせて再検証しています。 このコースは、原価計算、衛生管理、およびワークフローに関するマネジメント戦略の考え方を持って完結します。バリスタのワークフローの効率性、並びに抽出技術を最適化し、忙しい現場でも品質を保ちつつ、作業効率をアップさせる戦略を学びます。 最終章を学び終えたら、ファイナルアセスメントへ進みます。試験問題は、ドリップとバッチブリューコースの学習成果がひと目で分かるように設計されています。また、全てのコースと修了証は、生涯アクセスでき、学びたい時にいつでも学び直すことが可能です。

ドリップとバッチブリュー_コースの内容

ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~ コースと修了証 サードウェーブに代表されるバリスタは、お代わり自由が当たり前だったコーヒー文化から、ハンドドリップやバッチブリューなど、コーヒーそのものの品質を楽しむフィルターコーヒーへ文化を一変させ、ワイン業界の成果に匹敵する専門分野へと変貌を遂げてきました。透過法は、最も滑らかでクリーンなコーヒーの抽出を可能にし、人々の喉の渇きを癒す素晴らしい抽出方法です。ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~は、重力を利用したドリップコーヒーの芸術と科学をあらゆる面から探求するコースです。 各章のコンテンツに関して ドリップとバッチブリュー ~透過法の全て~は、7つの章から構成されています。第1章では、透過の力学について学びます。またガラスやセラミック、プラスチックなどのドリッパーの素材とペーパーフィルターとの物理的な効果について説明します。また、バッチブリューとドリップコーヒーを一貫した品質で抽出するために必要な全てのステップを紹介します。 第2章では、抽出したコーヒーの液量、抽出温度のトラッキング方法、抽出時間と挽き目の実践的な設定方法について説明します。次に、第3章では、複雑な変数とされる乱流(Turbulence)、コーヒーベッドの深さ、および水流が抽出に及ぼす影響について説明します。チャネリングを防ぐために、これらの変数をコントロールする重要性を学びます。 第4章と第5章では、近年注目を集めているバッチブリュワーのプログラミングと抽出サイクルについて説明します。また、ペーパーフィルターの素材や製造工程、コーヒーマシンのライムスケールや腐食を防ぐ方法を学びます。第6章では、店舗で抽出したコーヒーを液体で保管する場合に最も有効な方法を綿密に検証します。既に確立されている理論をBH独自の実験とブラインドテイスティングを通してスペシャルティコーヒーに合わせて再検証しています。 このコースは、原価計算、衛生管理、およびワークフローに関するマネジメント戦略の考え方を持って完結します。バリスタのワークフローの効率性、並びに抽出技術を最適化し、忙しい現場でも品質を保ちつつ、作業効率をアップさせる戦略を学びます。 最終章を学び終えたら、ファイナルアセスメントへ進みます。試験問題は、ドリップとバッチブリューコースの学習成果がひと目で分かるように設計されています。また、全てのコースと修了証は、生涯アクセスでき、学びたい時にいつでも学び直すことが可能です。