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ACM_6.5 二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響
二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響 この動画では、MattがVSTコーヒーツールアプリで二酸化炭素と水分の設定を変えるとどうなるかを説明しています。 アンドロイドユーザー向けのスクリーンショット ここでは、なぜ二酸化炭素量設定と水分値設定が重要か、コーヒーツールアプリのスクリーンショットの実例を使って説明します。 この例では液体保持率(LRR)はグラム当たり2ミリリットル、間質液のTDSが0%として設定しています。 例A:アンドロイド版VSTアプリのスクリーンショット 二酸化炭素量1%、水分値3%の含有率に着目してください。 例B:二酸化炭素量と水分値の設定をゼロにしています。 不思議な点とその理由 この2つの例の最も大きな違いは二酸化炭素量1%、水分値3%で設定した方が収率が0.95%高いという点です。 不思議なことに全く同じ抽出比率で淹れた2つの液量(BEV)に2グラムの差があります。 なぜならコーヒーと抽出に使用した水の比率の変動は、使用するコーヒー量が少ないほど、粉に留まる液体も少なくなるという液体保持率の影響です。 もう一つ不思議なのは、最初の例の方が収率が0.95%高く、つまりほぼ1%であり、これは相当な影響であることでしょう。 これは例Aでは、二酸化炭素量1%、水分値3%設定により、15グラムでなく14.45グラムとされているためです。 例Bでは例Aより多い15グラムのコーヒーで、抽出に使用した水も例Aより0.45グラム少なくなっています。少ないコーヒーと少し多めの水であれば、同じTDS値でも高めの収率を得る結果となります。 極深煎りの場合 2ハゼ以降まで焙煎した深煎りだと、焙煎中に熱が加わることでより多くの炭水化物とクロロゲン酸が二酸化炭素と水蒸気に変わるため、二酸化炭素量は比較的多くなります。二酸化炭素の含有率が1%で水分含有率もたった1%だったとしてみましょう。 E. E Lockhartによる従来の計算式を用いると、20グラム:40グラムの抽出比率で淹れたTDS10%のエスプレッソはこのように算出されます:...
ACM_6.5 二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響
二酸化炭素量設定と水分値設定が与える計測値への影響 この動画では、MattがVSTコーヒーツールアプリで二酸化炭素と水分の設定を変えるとどうなるかを説明しています。 アンドロイドユーザー向けのスクリーンショット ここでは、なぜ二酸化炭素量設定と水分値設定が重要か、コーヒーツールアプリのスクリーンショットの実例を使って説明します。 この例では液体保持率(LRR)はグラム当たり2ミリリットル、間質液のTDSが0%として設定しています。 例A:アンドロイド版VSTアプリのスクリーンショット 二酸化炭素量1%、水分値3%の含有率に着目してください。 例B:二酸化炭素量と水分値の設定をゼロにしています。 不思議な点とその理由 この2つの例の最も大きな違いは二酸化炭素量1%、水分値3%で設定した方が収率が0.95%高いという点です。 不思議なことに全く同じ抽出比率で淹れた2つの液量(BEV)に2グラムの差があります。 なぜならコーヒーと抽出に使用した水の比率の変動は、使用するコーヒー量が少ないほど、粉に留まる液体も少なくなるという液体保持率の影響です。 もう一つ不思議なのは、最初の例の方が収率が0.95%高く、つまりほぼ1%であり、これは相当な影響であることでしょう。 これは例Aでは、二酸化炭素量1%、水分値3%設定により、15グラムでなく14.45グラムとされているためです。 例Bでは例Aより多い15グラムのコーヒーで、抽出に使用した水も例Aより0.45グラム少なくなっています。少ないコーヒーと少し多めの水であれば、同じTDS値でも高めの収率を得る結果となります。 極深煎りの場合 2ハゼ以降まで焙煎した深煎りだと、焙煎中に熱が加わることでより多くの炭水化物とクロロゲン酸が二酸化炭素と水蒸気に変わるため、二酸化炭素量は比較的多くなります。二酸化炭素の含有率が1%で水分含有率もたった1%だったとしてみましょう。 E. E Lockhartによる従来の計算式を用いると、20グラム:40グラムの抽出比率で淹れたTDS10%のエスプレッソはこのように算出されます:...
ACM_5.2 濃度勾配および拡散
濃度勾配および拡散 浸漬法と透過法、2つの抽出方法の最も顕著な違いは、収率を経時的に測定した際の濃度勾配の変化です。 図を見るとこの2つの抽出方法では、時間の経過とともに抽出率が大きく異なっています。 この浸漬法 vs 透過法の図はスコット・ラオの許可を得て掲載しています。 水中でコーヒーの分子は、高濃度のところから低濃度のところへ自然に広がります。 この現象は拡散と呼ばれ、同時に濃度勾配と呼ばれる現象を伴います。 お湯を張ったカップにティーバッグを入れて、揺らさずに放っておけば、ティーバッグに近いところは溶解した紅茶の固形分の濃度がより高くなります。 ティーバッグ内部が最高の濃度になり、飲み口に近いカップ上部が最も低い濃度となります。(ティーバッグを長時間放置しない限り) これが濃度勾配です。 この勾配は濃度の差が大きいほどに急になります。 ティーバッグとお湯の場合、ティーバッグを軽く揺らして全体を混ぜればこの勾配差が小さくなると思うかもしれませんが、実際は勾配が大きくなります。なぜなら、ティーバッグを揺らした後に飲み口に近いカップ上部の薄い紅茶と混ざり、茶葉に最も近い液体部分の濃度が薄まるためです。 この濃度勾配の増大は、より速い拡散速度つまりより速い抽出速度に繋がります。これはカッピング時にクラストをブレークする際、撹拌がなぜ抽出速度を早めるのか、という説明を容易にします。 ティーバッグを揺らさなくても、お茶は結果として抽出されることは周知の事実ですが、抽出工程として遅く、時間の経過と共にお湯の温度が徐々に低下することでさらに遅くなります。 この図はティーバッグ内の濃い液体、ティーバッグ付近の濃い液体と、ティーバッグから離れた薄い液体間の濃度勾配を示しています。 最初に大量の水を加える浸漬法の抽出は、一般的に抽出サイクルの初期段階で高い抽出率に到達します。対照的にドリップコーヒーにおける、蒸らしと呼ばれるプレ・インフュージョンの間の収率は非常に低いとされています。 ドリップコーヒーは、抽出サイクルの始めに粒子が水を吸収する一方で、浸漬法ではお湯を注ぐとすぐに粉の表面抽出に移行します。 この抽出速度の差は、浸漬法には抽出に使用できる水が透過法に比べて抽出初期からより多く存在しているという単純な理由に寄ります。 水は抽出における溶媒であり、より多くの溶媒の存在はより速い抽出を意味するのです。 新鮮な抽出用のお湯が継続的に加えられ、ケトルの水流を使って粉を撹拌するドリップコーヒーは、カッピングに用いられる浸漬式抽出よりも高い濃度勾配を有するので、よりアグレッシブな抽出方法と捉えることができます。 ドリップコーヒーでは、蒸らしの工程を経て抽出が進むにつれて、固形分への浸食と高濃度帯から低濃度帯へと粒子が移動する拡散が起こります。 撹拌または浸食が機能しなくても、十分な時間が与えられればティーバッグ内の可溶性成分とカップ内の水との間には勾配がなくなります。 この平衡にはより高い温度でより速く至ります。 アレニウスの公式(レッスン4.4)で見たように、反応速度は温度の上昇とともに増加し、高濃度では減速します。 また、浸漬法における収率の曲線は時間を追うごとにかなり減少します。 逆に透過法は浸漬法と比べて抽出サイクルの終了時に高い収率へ到達します。 これは浸漬法に比べて、ドリップコーヒーの抽出が難しいことを意味しています。 また、浸漬法は抽出特性上18~22%の収率により早く達するので、抽出管理表の最適な抽出範囲に調整しやすいとも考えられていますが、だからと言って浸漬式抽出がより美味しいと言う訳ではありません クレバードリッパーやエアロプレスのようなハイブリッドタイプの抽出器具では、抽出終了時に一気に水位を下げるフェーズ(重力を使ったり、人為的に押したりするフェーズ)が存在します。ハイブリッドタイプの浸漬法と透過法の明確な違いは、抽出サイクルの最後に抽出する液体が最も濃い液体となることです。...
ACM_5.2 濃度勾配および拡散
濃度勾配および拡散 浸漬法と透過法、2つの抽出方法の最も顕著な違いは、収率を経時的に測定した際の濃度勾配の変化です。 図を見るとこの2つの抽出方法では、時間の経過とともに抽出率が大きく異なっています。 この浸漬法 vs 透過法の図はスコット・ラオの許可を得て掲載しています。 水中でコーヒーの分子は、高濃度のところから低濃度のところへ自然に広がります。 この現象は拡散と呼ばれ、同時に濃度勾配と呼ばれる現象を伴います。 お湯を張ったカップにティーバッグを入れて、揺らさずに放っておけば、ティーバッグに近いところは溶解した紅茶の固形分の濃度がより高くなります。 ティーバッグ内部が最高の濃度になり、飲み口に近いカップ上部が最も低い濃度となります。(ティーバッグを長時間放置しない限り) これが濃度勾配です。 この勾配は濃度の差が大きいほどに急になります。 ティーバッグとお湯の場合、ティーバッグを軽く揺らして全体を混ぜればこの勾配差が小さくなると思うかもしれませんが、実際は勾配が大きくなります。なぜなら、ティーバッグを揺らした後に飲み口に近いカップ上部の薄い紅茶と混ざり、茶葉に最も近い液体部分の濃度が薄まるためです。 この濃度勾配の増大は、より速い拡散速度つまりより速い抽出速度に繋がります。これはカッピング時にクラストをブレークする際、撹拌がなぜ抽出速度を早めるのか、という説明を容易にします。 ティーバッグを揺らさなくても、お茶は結果として抽出されることは周知の事実ですが、抽出工程として遅く、時間の経過と共にお湯の温度が徐々に低下することでさらに遅くなります。 この図はティーバッグ内の濃い液体、ティーバッグ付近の濃い液体と、ティーバッグから離れた薄い液体間の濃度勾配を示しています。 最初に大量の水を加える浸漬法の抽出は、一般的に抽出サイクルの初期段階で高い抽出率に到達します。対照的にドリップコーヒーにおける、蒸らしと呼ばれるプレ・インフュージョンの間の収率は非常に低いとされています。 ドリップコーヒーは、抽出サイクルの始めに粒子が水を吸収する一方で、浸漬法ではお湯を注ぐとすぐに粉の表面抽出に移行します。 この抽出速度の差は、浸漬法には抽出に使用できる水が透過法に比べて抽出初期からより多く存在しているという単純な理由に寄ります。 水は抽出における溶媒であり、より多くの溶媒の存在はより速い抽出を意味するのです。 新鮮な抽出用のお湯が継続的に加えられ、ケトルの水流を使って粉を撹拌するドリップコーヒーは、カッピングに用いられる浸漬式抽出よりも高い濃度勾配を有するので、よりアグレッシブな抽出方法と捉えることができます。 ドリップコーヒーでは、蒸らしの工程を経て抽出が進むにつれて、固形分への浸食と高濃度帯から低濃度帯へと粒子が移動する拡散が起こります。 撹拌または浸食が機能しなくても、十分な時間が与えられればティーバッグ内の可溶性成分とカップ内の水との間には勾配がなくなります。 この平衡にはより高い温度でより速く至ります。 アレニウスの公式(レッスン4.4)で見たように、反応速度は温度の上昇とともに増加し、高濃度では減速します。 また、浸漬法における収率の曲線は時間を追うごとにかなり減少します。 逆に透過法は浸漬法と比べて抽出サイクルの終了時に高い収率へ到達します。 これは浸漬法に比べて、ドリップコーヒーの抽出が難しいことを意味しています。 また、浸漬法は抽出特性上18~22%の収率により早く達するので、抽出管理表の最適な抽出範囲に調整しやすいとも考えられていますが、だからと言って浸漬式抽出がより美味しいと言う訳ではありません クレバードリッパーやエアロプレスのようなハイブリッドタイプの抽出器具では、抽出終了時に一気に水位を下げるフェーズ(重力を使ったり、人為的に押したりするフェーズ)が存在します。ハイブリッドタイプの浸漬法と透過法の明確な違いは、抽出サイクルの最後に抽出する液体が最も濃い液体となることです。...
ACM_4.1 TDSを固定して抽出した場合
TDSを固定して抽出した場合 もし固定した抽出比率で、挽き目を変えることで抽出をコントロールしているなら、それは収率を変えつつ濃度を変えていることを意味します。抽出コントロール表上の横軸を対角線状に移行することで、TDSを維持しながらより一貫性を得ることができます。抽出コントロール表を垂直ではなく水平方向に操作することが、抽出において最良の手法だと私たちは考えています。 TDSを固定して収率を増やす カフェ環境下での例として、挽き目を変えることでどうやって抽出コントロール表を水平方向に操作するか下記に示します: まず、ブラインドテイスティングと濃度計測によって、エスプレッソのTDSの狙いを10%に設定します。 18グラムのコーヒーを36グラムの液量で作ったとします。 結果、狙いとするTDS値に到達したのに、味をとってみたらボディ感がとても弱いと判定したとします。 ↑粉量18グラムで。0%TDSの36グラムの液量で収率20% またこのショットをもっと甘くしたいと思ったとします。 上記の目的を達成するために収率を増やすことにします。 挽き目を細かくして(もしくは温度を上げて)粉量を17.5グラムに減らして10%のTDSを狙います。 ↑粉量17.5グラム。TDSが10%、36グラムの液量で収率20.5% この事例では収率を20%から20.5%にコントロールしました。 この動画ではMattがどうやって抽出方程式を使って、抽出コントロール表を水平方向に動かすか説明しています。 味覚に自信のある人にとっては、TDSを知ることに比べて実際の収率を知ることはさほど大事なことではないかもしれません。しかし、不快なフレーバーが未抽出あるいは過抽出によるものであるなら、収率を計測することは有意義と言えます。 このため屈折計は、顧客向けに一貫したTDSを届けるために非常に役立つ機器です。カフェの環境では屈折計は素早く確かな判断をする手助けとなります。 粉量を減らし、総溶解固形分の濃度を維持しつつ収率をあげたい場合にも、屈折計は非常に役立ちます。17.5グラムの粉量で36グラムの液量を抽出した際、収率は0.5%上がりますがTDSは変わりませんでした。粉量を減らすことで、よりバランスの取れた味わいとコストの削減においてメリットを得ることができます。 4.1 終
ACM_4.1 TDSを固定して抽出した場合
TDSを固定して抽出した場合 もし固定した抽出比率で、挽き目を変えることで抽出をコントロールしているなら、それは収率を変えつつ濃度を変えていることを意味します。抽出コントロール表上の横軸を対角線状に移行することで、TDSを維持しながらより一貫性を得ることができます。抽出コントロール表を垂直ではなく水平方向に操作することが、抽出において最良の手法だと私たちは考えています。 TDSを固定して収率を増やす カフェ環境下での例として、挽き目を変えることでどうやって抽出コントロール表を水平方向に操作するか下記に示します: まず、ブラインドテイスティングと濃度計測によって、エスプレッソのTDSの狙いを10%に設定します。 18グラムのコーヒーを36グラムの液量で作ったとします。 結果、狙いとするTDS値に到達したのに、味をとってみたらボディ感がとても弱いと判定したとします。 ↑粉量18グラムで。0%TDSの36グラムの液量で収率20% またこのショットをもっと甘くしたいと思ったとします。 上記の目的を達成するために収率を増やすことにします。 挽き目を細かくして(もしくは温度を上げて)粉量を17.5グラムに減らして10%のTDSを狙います。 ↑粉量17.5グラム。TDSが10%、36グラムの液量で収率20.5% この事例では収率を20%から20.5%にコントロールしました。 この動画ではMattがどうやって抽出方程式を使って、抽出コントロール表を水平方向に動かすか説明しています。 味覚に自信のある人にとっては、TDSを知ることに比べて実際の収率を知ることはさほど大事なことではないかもしれません。しかし、不快なフレーバーが未抽出あるいは過抽出によるものであるなら、収率を計測することは有意義と言えます。 このため屈折計は、顧客向けに一貫したTDSを届けるために非常に役立つ機器です。カフェの環境では屈折計は素早く確かな判断をする手助けとなります。 粉量を減らし、総溶解固形分の濃度を維持しつつ収率をあげたい場合にも、屈折計は非常に役立ちます。17.5グラムの粉量で36グラムの液量を抽出した際、収率は0.5%上がりますがTDSは変わりませんでした。粉量を減らすことで、よりバランスの取れた味わいとコストの削減においてメリットを得ることができます。 4.1 終
ACM_3.8 希釈=バイパス
希釈=バイパス 抽出したコーヒーに追加で水を加えるとき、この水は希釈水と呼ばれます。 希釈を行うと抽出管理表(Brew control chart)の位置が、y軸(濃度)は下に移動しますが、x軸の位置(収率)は変わりません。コーヒーと加える水の比率が素晴らしければ、そのコーヒーはより飲みやすくなります。 BHツールキットの計算機能を新しく2つご紹介します。希釈後に到達し得るTDS値を予測するために役立つツールと、好みのTDS値を達成するために必要な水の量を計算できるツールを用意しています。 BHの濃度と希釈計算表のスクリーンショット アメリカーノとロングブラックの希釈について カフェで最もよく知られている希釈の例は、アメリカーノです。アメリカーノは希釈量で、ロングブラックから区別されます。 一般的なロングブラックに加えられる水の量は約100ミリリットルで、アメリカーノはその倍量と言われています。したがってロングブラックはアメリカーノより濃いです。 アメリカーノはフィルターコーヒーと同等に置き換わるものではありません。BHツールキットの計算機能に、この(アメリカーノの)希釈レベルを入力すると、TDSが10%の典型的な40ミリリットルのダブルショットは、カプセルエスプレッソの濃度の2.9%に非常に似ています。同様の抽出でのシングルショットの場合は、1.7%のTDSに達します。 3.8 終
ACM_3.8 希釈=バイパス
希釈=バイパス 抽出したコーヒーに追加で水を加えるとき、この水は希釈水と呼ばれます。 希釈を行うと抽出管理表(Brew control chart)の位置が、y軸(濃度)は下に移動しますが、x軸の位置(収率)は変わりません。コーヒーと加える水の比率が素晴らしければ、そのコーヒーはより飲みやすくなります。 BHツールキットの計算機能を新しく2つご紹介します。希釈後に到達し得るTDS値を予測するために役立つツールと、好みのTDS値を達成するために必要な水の量を計算できるツールを用意しています。 BHの濃度と希釈計算表のスクリーンショット アメリカーノとロングブラックの希釈について カフェで最もよく知られている希釈の例は、アメリカーノです。アメリカーノは希釈量で、ロングブラックから区別されます。 一般的なロングブラックに加えられる水の量は約100ミリリットルで、アメリカーノはその倍量と言われています。したがってロングブラックはアメリカーノより濃いです。 アメリカーノはフィルターコーヒーと同等に置き換わるものではありません。BHツールキットの計算機能に、この(アメリカーノの)希釈レベルを入力すると、TDSが10%の典型的な40ミリリットルのダブルショットは、カプセルエスプレッソの濃度の2.9%に非常に似ています。同様の抽出でのシングルショットの場合は、1.7%のTDSに達します。 3.8 終
ACM_2.3 抽出管理表(Brew Control Chart)の進化
抽出管理表(Brew Control Chart)の進化と18~22%の収率 1950年代にコーヒーの科学は革新的な動きを見せはじめました。 National Coffee AssociationはEarl E. Lockhart博士にマサチューセッツ工科大学(MIT)にて食品工学の博士号の取得を依頼しました。 コーヒーに関する博士号の取得は、コーヒー産業の歴史上初めてのことでした。 今日では広く受け入れられている知覚科学(Sensory Science)は、1950年代ではあまり知られていませんでした。 それでもLockhartは、官能検査をもとに今日でも使用されている最適な収率を設定しました。 もしある程度良い基準の豆を使用して18~22%の収率でコーヒーを抽出できているなら、間違いなく許容できる範囲の品質は担保できているでしょう。 しかし最高の味わいを求めるなら、焙煎プロファイルと使用する抽出機器の組み合わせを考慮して、どの程度の収率が適しているのか、理解する必要があります。 留意点:Lockhartがなぜ18~22%の収率をターゲットとして設定したのか、インスタントコーヒーを例にして考えてみましょう。 収率が28%を超える抽出はインスタントコーヒーではよく見られます。複数回に及ぶ抽出と150度に加圧された空間で抽出することで28%を超える収率を達成します。インスタントコーヒーの味覚的特徴は、苦味が強く、口が乾くようなドライな味わい、ダンボールのような味わいを連想させ、これは、過度な収率と味覚は相関性にないことを示唆しています。 1959年の当時の抽出管理表(Brew Control Chart) 2.3 終
ACM_2.3 抽出管理表(Brew Control Chart)の進化
抽出管理表(Brew Control Chart)の進化と18~22%の収率 1950年代にコーヒーの科学は革新的な動きを見せはじめました。 National Coffee AssociationはEarl E. Lockhart博士にマサチューセッツ工科大学(MIT)にて食品工学の博士号の取得を依頼しました。 コーヒーに関する博士号の取得は、コーヒー産業の歴史上初めてのことでした。 今日では広く受け入れられている知覚科学(Sensory Science)は、1950年代ではあまり知られていませんでした。 それでもLockhartは、官能検査をもとに今日でも使用されている最適な収率を設定しました。 もしある程度良い基準の豆を使用して18~22%の収率でコーヒーを抽出できているなら、間違いなく許容できる範囲の品質は担保できているでしょう。 しかし最高の味わいを求めるなら、焙煎プロファイルと使用する抽出機器の組み合わせを考慮して、どの程度の収率が適しているのか、理解する必要があります。 留意点:Lockhartがなぜ18~22%の収率をターゲットとして設定したのか、インスタントコーヒーを例にして考えてみましょう。 収率が28%を超える抽出はインスタントコーヒーではよく見られます。複数回に及ぶ抽出と150度に加圧された空間で抽出することで28%を超える収率を達成します。インスタントコーヒーの味覚的特徴は、苦味が強く、口が乾くようなドライな味わい、ダンボールのような味わいを連想させ、これは、過度な収率と味覚は相関性にないことを示唆しています。 1959年の当時の抽出管理表(Brew Control Chart) 2.3 終
ACM_2.1 過抽出と未抽出の味覚的印象
過抽出と未抽出の味覚的印象 過抽出と未抽出はどのような味なのでしょうか、そしてなぜそのような味がするのでしょうか? 抽出は、液体の強さと同じように、味わいと質感で理解できます。 抽出過程では、種々な成分が異なるタイミングで溶解します。 抽出過程の溶解度の差は、個々の物質の重さの違いが生み出します。軽い物質は溶解に熱量も時間もあまり必要とせず、重い物質は溶解に熱量と時間を必要とします。ただし、この溶解度の差異は、幸運にもわかりやすい違いとして味覚的に認識できます。 未抽出の味わいは圧倒的に満足感に欠けます。 甘味は非常に弱く、酸の量は多く、その質は良くありません。 また、ナッツ(ナッティ)、野菜(ベジタル)、草っぽさ(グラッシー)、しょっぱさ(ソルティ)、塩気のある味わいなど、不快なフレーバーを知覚した途端、広がりに欠ける短い後口でフィニッシュします。 しかし、上記のネガティブなフレーバーを感じ取らせる成分は、適正な抽出を行ったとしても存在しますのでご注意ください。抽出の後半に、味わいのバランスを取る成分が抽出されるので、結果としてネガティブなフレーバーが覆い隠されるのです。 過抽出も同様に好ましくありません。 過抽出はドライな口当たりを生み出し、より強い苦味をもたらします。 しかしあらゆる抽出液体中に未抽出、過抽出で感じられる味わいが含まれていることもまた事実と言えます。 それでは適正な抽出とは何でしょうか? 抽出のゴールとは バランスをもたらすことです。 最高の抽出とは、味覚と嗅覚のみならず、全ての味わいを満遍なく引き出している抽出でしょう。 最良のバランスを達成する鍵は、甘味と滑らかさです。 未抽出、もしくは過抽出のコーヒーは、甘さより、苦味や酸っぱさが目立ちます。 過抽出か未抽出であれば、口内が乾くようなドライな味わいを感じますが、その一方で甘味は崩れたバランスを補正することができます。 すなわち、異なるレシピで調整した抽出に、より甘さや滑らかさを感じたとするなら、適正な抽出への第一歩を踏み出したと言えます。 Coffee Cupper's Handbook, の著者であるTed Lingleは、カッピングにおけるバランスの採点方法を説明しています。 『カッパー(評価者)がバランスを評価するポイントとは、アロマ、酸の質、フレーバー、ボディ、後味の印象度(アフターテイスト)、この5つの味覚要素の総合的な嗜好評価である。バランスは概ね素晴らしい品質のコーヒーに見られる最も重要な特性であり、カッパーのポイント(Cupper's Points)とも言える項目であるが、逆に言えばひとつ、ふたつのマイナス要素によってバランスが崩れただけで減点される項目でもある』 2.1 終
ACM_2.1 過抽出と未抽出の味覚的印象
過抽出と未抽出の味覚的印象 過抽出と未抽出はどのような味なのでしょうか、そしてなぜそのような味がするのでしょうか? 抽出は、液体の強さと同じように、味わいと質感で理解できます。 抽出過程では、種々な成分が異なるタイミングで溶解します。 抽出過程の溶解度の差は、個々の物質の重さの違いが生み出します。軽い物質は溶解に熱量も時間もあまり必要とせず、重い物質は溶解に熱量と時間を必要とします。ただし、この溶解度の差異は、幸運にもわかりやすい違いとして味覚的に認識できます。 未抽出の味わいは圧倒的に満足感に欠けます。 甘味は非常に弱く、酸の量は多く、その質は良くありません。 また、ナッツ(ナッティ)、野菜(ベジタル)、草っぽさ(グラッシー)、しょっぱさ(ソルティ)、塩気のある味わいなど、不快なフレーバーを知覚した途端、広がりに欠ける短い後口でフィニッシュします。 しかし、上記のネガティブなフレーバーを感じ取らせる成分は、適正な抽出を行ったとしても存在しますのでご注意ください。抽出の後半に、味わいのバランスを取る成分が抽出されるので、結果としてネガティブなフレーバーが覆い隠されるのです。 過抽出も同様に好ましくありません。 過抽出はドライな口当たりを生み出し、より強い苦味をもたらします。 しかしあらゆる抽出液体中に未抽出、過抽出で感じられる味わいが含まれていることもまた事実と言えます。 それでは適正な抽出とは何でしょうか? 抽出のゴールとは バランスをもたらすことです。 最高の抽出とは、味覚と嗅覚のみならず、全ての味わいを満遍なく引き出している抽出でしょう。 最良のバランスを達成する鍵は、甘味と滑らかさです。 未抽出、もしくは過抽出のコーヒーは、甘さより、苦味や酸っぱさが目立ちます。 過抽出か未抽出であれば、口内が乾くようなドライな味わいを感じますが、その一方で甘味は崩れたバランスを補正することができます。 すなわち、異なるレシピで調整した抽出に、より甘さや滑らかさを感じたとするなら、適正な抽出への第一歩を踏み出したと言えます。 Coffee Cupper's Handbook, の著者であるTed Lingleは、カッピングにおけるバランスの採点方法を説明しています。 『カッパー(評価者)がバランスを評価するポイントとは、アロマ、酸の質、フレーバー、ボディ、後味の印象度(アフターテイスト)、この5つの味覚要素の総合的な嗜好評価である。バランスは概ね素晴らしい品質のコーヒーに見られる最も重要な特性であり、カッパーのポイント(Cupper's Points)とも言える項目であるが、逆に言えばひとつ、ふたつのマイナス要素によってバランスが崩れただけで減点される項目でもある』 2.1 終